●ブランディングによって目指すところ
–今後、ブランドを展開していくめどは立っていますか?
大関 今はネックウェアをメインに扱っていますが、今後もずっと「ネックウェアメーカー」でいるつもりはなく、事業範囲をベルトやバッグなどの皮革関連商品にも広げ、日本に限らず世界に出て行きます。すでに香港、アメリカの現地法人からオファーがあり、試験的に販売を始めています。しかし、各国で消費者のファッション志向は異なるので、まず日本に力を入れて基盤をつくることが先決だと考えています。
弊社は、メンズネクタイでスタートしましたが、現時点ではレディースウェアに注力しています。私は、各所で「(フランスのファッションデザイナー)ココ・シャネルに憧れている」と言っているのですが、彼女は女性のスーツに革命を起こした人物で、男性のものとされていたスーツを女性向けに開発して働く女性の地位を向上させました。彼女は、女性向けスーツや各種の小物をデザインするなど、多くの功績がありますが、やり残したこととして、ネックウェアをつくること、すなわち男性のネクタイに代わるものをつくらなかったことだと思っています。
私は、働く女性のネックウェアを定着させたい、ネックウェアで革命を起こしたいと考えています。ひいては、ファッションで女性の社会的地位の確立を支えたいと思っています。今月から、女子就活生向けにリクルート用ネックウェアの販売も始めました。
●今後の事業展開
–商品を展開していく市場は、百貨店が中心になっていくのでしょうか?
大関 いえ、弊社はネット販売がメインです。近日中に楽天市場でも商品の取り扱い開始する予定です。世界展開させていく上でも、店舗を多く持たずにネットを中心に販売していくつもりです。しかし、実物を見たいお客様もいらっしゃいますし、まずは百貨店の婦人服売り場を中心に置かせていただいて、反応を見ている段階です。今後、セレクトショップや街中のショップなど、販売拠点を広げたいと考えています。
–御社の営業活動に関する方針を教えてください。
大関 実は、今までほとんど営業活動はしていません。メディアにも数年前に一度プレスリリースしただけで、対外的な活動はしていません。商品の開発に尽力し、あとは人脈形成に3年費やしてきました。唯一したことといえば、百貨店のトップの方々に手紙と商品を送り、直接お会いしてお話しした結果、商品を置いていただけるようになりました。あとはほとんど口コミです。
–御社のネックウェアに合ったシャツも開発される予定はありますか?
大関 考えています。まだ余力がないので開発していませんが、将来的にはやりたいと思います。
–今後、幅広いビジネスシーンに対応する小物などをつくっていかれるのですね。
大関 そうですね。カジュアルではなく、ビジネス関連のものを中心に展開していきます。
–女性ビジネスパーソンのファッションが秘める可能性について聞かせてください。
大関 スーツは完成されたファッションで、おしゃれを持ち込む幅が少ないと思います。しかし、最も遊び心を加えられる場所は首回りです。既存メーカーが手を付けていない分野のネックウェア。購買力やファッションへの感度は女性のほうが高いのに、なぜか男性のネクタイに代わる女性向けネックウェアは市場に出てきていません。弊社の商品は、女性の皆様に楽しんでいただけると思っております。
–ありがとうございました。
(取材・構成=編集部)