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上場企業、業績回復受け、今年「トップ人事の年」に~長期政権決別組、サプライズ組…

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 東洋紡は楢原誠慈取締役が社長に昇格し、坂元龍三社長は代表権のある会長に就く。楢原氏は31歳のとき九州電力から転職してきた。53歳で歴代社長を輩出する経営企画室長に就任。名門復活に向け、グローバル化推進本部長を兼務し、遅れていた海外事業拡大の旗振り役を担ってきた。

●長期政権決別組

 高島屋は2月1日付で、木本茂常務が社長に昇格し、在任10年11カ月の鈴木弘治社長は代表権を持ったまま空席だった会長に就いた。高島屋はかつて百貨店の売上高首位だったが、再編に加わらず、現在では業界3位に順位が下がった。単独路線を今後も続けるのか、再編に打って出るのかに、注目が集まっている。

 旭化成は子会社・旭化成ファーマの社長を務める浅野敏雄執行役員が社長に昇格する。藤原健嗣社長は副会長となり、6月の株主総会後に取締役も辞任。伊藤一郎会長は総会後、代表権のない会長となる。権限を新社長に一本化し、経営責任を明確にする。旭化成は会長を務めてきた山口信夫氏が長らく実力者として経営に影響力を持っていたが、10年9月に85歳で亡くなるまでの18年間、4人の社長を決めてきた。伊藤と藤原の両氏は傍流の浅野氏を起用することで、「一度社長に就いたら死ぬまでトップに君臨する」社風に決別するメッセージとした。

●サプライズ人事組

 武田薬品工業は6月下旬の株主総会で、英製薬大手グラクソ・スミスクラインのグループ会社社長でフランス人のクリストフ・ウェバー氏を社長に起用する。4月までにCOOになる。長谷川閑史社長兼CEOは会長兼CEOに就く。武田薬品の社長に外国人が就くのは初めて。ウェバー氏は社長就任から1年後に長谷川氏からCEOを引き継ぐ予定だが、予断を許さない。新社長の使命は、出遅れている新興国市場を強化してグローバル化を進めることだ。

 資生堂は元日本コカ・コーラ社長で資生堂マーケティング統括顧問の魚谷雅彦氏が執行役員社長に就任。6月の株主総会後に代表取締役に選ばれる。前田新造会長兼社長は社長を退任。株主総会で会長も退任し、相談役に退く。資生堂が外部から社長を招聘するのは初めて。魚谷氏は日本コカ・コーラで缶コーヒー「ジョージア」や緑茶「爽健美茶」などヒット商品を手がけたマーケティングのプロ。若い女性客離れが続き、低迷を続ける化粧品事業の再生を目指す。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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