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花王は高収益を誇る優良企業だが化粧品事業は低迷していたため、買収される側のカネボウは花王を格下と見なし、買収交渉がカネボウの労働組合の反対で打ち切られるという事態も発生した。こうした背景もあってか、花王は「事業は統合しても、カネボウのブランドは残す」と表明し、カネボウとの融和策をとり、有力ブランドであったカネボウの顔を立てた。こうした姿勢のツケが、白斑問題の発生で回ってきたとの批判が同社周辺では上がっている。
買収から7年以上経過したにもかかわらず、花王とカネボウの化粧品部門の一体化には程遠い状態のところで、今回の白斑問題が起きた。カネボウには11年に最初の被害情報が寄せられたにもかかわらず、同社は2年間も放置していた。この情報は花王には上がってこなかった。買収当時は「企業文化が違いすぎ、水と油の関係。はたしてうまく融合するのか」(化粧品業界関係者)と業界内では冷ややかな見方が強かったが、この危惧が現実のものになった。「尾崎氏の会長退任は、花王によるカネボウ買収が失敗に終わったことを内外に告知したもの」との見方も広がる中、花王には天井の見えない被害者への賠償と、先の読めないカネボウブランドの再建という難題が立ちはだかる。
(文=編集部)
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