母集団が違う調査だから単純比較はできないのだが、一応短期間で伸びてきているような気配は感じられる。それにしても、普及しているとはとてもいえない状態だ。
「インターネットコム」の調査では、利用経験者のうち38.2%が500円未満のものを贈っている。500円以上1500円未満と、1500円以上3000円未満がともに32.4%。その後、高額になるにつれて利用者は減る。ごく少額のプチギフト的な使い方をしている人が多いようだ。
同じ調査で、贈る相手として挙げられたのは「知人」と「友人」が各50%で、「家族」が32.4%。「恋人」は8.8%と少なく、「同僚や所属する団体の人」は2.9%とさらに少ない。ごく身近な人、改まったやりとりをしなくて済む人に贈っているようだ。「恋人」が少ないのは、わざわざソーシャルギフトで贈らずとも、手渡しするほうがよいからではないだろうか。
●利用者は若い男性
JADMAの調査では、特に利用経験が多いのは30代男性で21.4%。20代男性は「頻繁に利用している」という回答が8.4%もあり、ほかの層に比べて多かったという。大ざっぱに判断すると、比較的若い層の男性が利用しているという様子が見えてくる。
プチギフトを贈るというサービスは、女性のほうが利用していそうなイメージだが、実際に利用しているのは男性という調査結果が興味深い。今の段階では、単純に新しいネットサービスを積極的に活用する層にしか利用されていない、ということなのかもしれない。
今後の普及の鍵となるのは、20~30代の女性利用者がどれだけ増えるか、という部分だろう。Facebookなども積極的に活用しているといわれるこの層が、普段使いするようになれば、しっかりと根付くはずだ。
スマートフォンから気軽に使えるサービスも多い。クレジットカード決済だけでなく、キャリア決済やプリペイドカードの利用に対応したものが増えてくれば、より使いやすくなるだろう。そうなれば、クレジットカードを持てない若年層や、カード情報を送信することに抵抗感を持つ人にも広がる可能性が出てくる。
「飲み会の後のちょっとしたお礼に」「プロジェクトが終わった後のご挨拶に」という感じで、500円程度のものを簡単にやりとりする習慣が「女子力」のひとつとして広まり、女性誌などで特集されれば、だいぶ様子が変わってくるのかもしれない。
(文=エースラッシュ)