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セキュリティ企業・トレンドマイクロのレポートによれば、写真共有SNSアプリInstagramのユーザーを狙った詐欺サイトが発見されている。この詐欺サイトでは、Instagram上のフォロワーを増やすことを謳っているという。
フォロワーを増やしたいと願うユーザーが、うっかり申込フォームに情報を入力して申し込んでしまうと、氏名、メールアドレス、電話番号といった個人情報が盗み取られることになる。さらにこの詐欺サイトでは、希望フォロワー数に応じた料金を請求してくるという。
もちろん、申込フォームから申し込んだところで、実際にはフォロワー数が増えることはない。ユーザーはただ騙されただけ、という結果に終わってしまう。
こうした詐欺サイトに引っかからないようにするには、セキュリティソフトを導入するといったことに加え、「注目されたい」という願望で注意力が落ちないようにする必要がある。ただ、「注目されたい」という個人的な願望だけでなく、企業やサイトへの注目度を高め、アクセスを増やしたいという商売上の要求から、こうした詐欺に引っかかってしまうケースも考えられるだろう。
企業の情報発信手段であるウェブサイトをより多くの人に見てもらうために、SEO(サーチエンジン最適化)を実践している企業は少なくない。最近では、TwitterやFacebook、ブログなどを活用したSMO(ソーシャルメディア最適化)も行われている。本来は、あくまでもユーザーが検索しやすくなるようにSEOは行われるべきだし、ユーザーが自主的に評価し、知り合いに教えたくなるようなSMOを実践すべきである。
しかし、SEO/SMOサービスを提供する業者の中には、あやしげなところも混じっていたりする。さらに、今回のように詐欺サイトまで含まれていることもあるから、注意が必要だ。
あやしげな業者の中には、いわゆる「ネットさくら」行為をする者もいる。自作自演的にTwitter上で企業のウェブサイトへのリンクを投稿しまくったり、Facebookの「いいね!」ボタンを自作自演で押して、サイトを多くのユーザーに広める、といった不届きなことをするのである。
また、ユーザー同士が互いに質問をして、それに対する回答を寄せるQ&Aサイト(「Yahoo!知恵袋」など)でも、同種のやり口が存在する。質問者を装って質問などを投稿し、それに自作自演で回答して、「○○というウェブサイトがいいみたいですよ」と宣伝をするというわけだ。
SEO/SMOにおいて「ネットさくら」行為をすることは、ユーザーを欺くことになるだけではなく、「ネットさくら」行為が発覚した時に、企業の信用を失墜させることにもなりかねない。さらにSEO/SMOの安易なサービスに申し込んで、詐欺サイトに引っかかるような事態も十分に考えられるのである。
(文=宮島理)