これに加え、ファーストフードの唐揚げなどの揚げ物系商品は、販売可能時間が4時間しかない商品で、普段は、お客の少ない深夜には品を揃えることはないのだが、この時期には弁当などの中食とともにきっちりと拡張補充される。
さらに、今夏の特徴として、コンビニ各社が力を入れている和風スイーツが、オリンピックのナショナリズムの高まりと連動し、新しい観戦のお供に選ばれそうだ。
セブン・イレブンやファミリーマートで販売される、冷やしみたらし、食感がネットで話題のセブン・イレブンのクリーム大福宇治抹茶、ローソン・あんこやブランドのあんみつ、水ようかんなどなどが、すでに注目されている。深夜食によるメタボ化さえ気にしなければ、非常に粋なトレンドとなりそうだ。
また、ハウス・メガシャキ、常盤薬品・眠眠打破などの眠気覚ましドリンクや、ガムやブラックコーヒーなども、テレビ観戦で寝てしまわないように、そして翌日の仕事中などに眠くならないようになど 2倍弱まで販売が伸びると予想されている。
繁華街立地店舗では、スポーツバーでの観戦も増えるため、観戦後の朝食や帰宅後の昼食などの需要の取り込みも重要である。
また、オリンピックの非日常感は、コンビニの日常購買に変化をもたらす。そうした高揚感が、ちょっと贅沢な商品の販売を加速するのである。例えば、アイスなら、ハーゲンダッツなどのプレミアムアイス。アルコールだと、発泡酒系ではなくサントリー・プレミアムモルツやサッポロ・ヱビスの販売が注目だ。普段はあまり売れないワインなども、対戦国ワインの訴求など販売の工夫をすれば、プレミアム系商品と同様、倍の売り上げを獲得する店舗もあると予測される。
テーマを見つけ、状況に応じて販促物を使用した集合陳列が、この時期の売り上げの明暗を分けるのだ。
一方でかつては、録画需要に対してHDDなどがなかったので、ビデオテープもよく売れていた。オリンピックでは 試合スタート時間の詳細が流動的な部分もあるため、通常販売シェアが高かった120分テープではなく、180分の長尺テープの多巻パックなどのセールを実施し、売り上げが通常の4倍になったりしたが、これもいまでは見込めない商品になってしまった。