観客席も横浜スタジアムの外野席はコア層で満員の試合が多く、なかなかチケットを取れない状況が続きました。チームが弱かった時代に球場から遠ざかっていた方々が、戻ってきてくださったのかもしれません。
――コア層は、どのぐらい増えているのでしょうか?
池田 コア層の推移が最もわかりやすいのはファンクラブの会員数ですが、今年は昨年比158%を記録しました。
●アクティブサラリーマンと女性がターゲット
――来季の球団経営については、どのような方針を考えていますか?
池田 基本的な戦略は今年と大きく変える必要はないと思っていますが、今はライト層をどんどん獲得していくフェーズだと思います。そのライト層はアクティブサラリーマンであり、その層が女性を連れてきてくれて、女性が女性を連れてくるという流れが今年形成できたので、この戦略をさらに進めていく考えです。
――女性客を重視する理由はなんでしょうか?
池田 今のベイスターズには「弱い」という、ある意味でのブランド力があります。弊社は球団のブランド調査を頻繁に行っていますが、球団から想起されるワードとして「弱い」という結果が相当数出るのです。もちろん、いつまでもこのブランドを持ち続けてはいけませんが、今はこのブランド力も最大限に活用すべきだと思っています。女性の「弱いチームを私たちが応援して強くなってもらう」という優しさや温かさに支えられたプロセスを、多くの女性客に共有していただく。女性のライト層の場合、特定の選手を応援するというフェーズにいたる前に、観に行ってなんとなく応援する気持ちになったチームにがんばって強くなってもらおうというライトな感情移入をされている方が多いのではないでしょうか。
――女性客を定着させるための施策を教えてください。
池田 女性客との距離をもっと縮めるために、普段使いできるオリジナルグッズを開発していきます。ベタな応援グッズでは、女性は特に普段はなかなか使うシーンがないと思います。そのようなグッズはすでにある一定層のファンからご購入いただいているので、女性客向けには雑貨や美容関連グッズなども企画しています。デザインにもさりげなく球団のロゴの星印をあしらってる程度で、「なんとなくベイスターズっぽい」けど普通に使えるデザインという方向に仕上げる方針です。普段使いできるグッズは男性向けにも開発する方針で、新しいブランドを立ち上げます。「ベイスターズのある生活」をテーマに普段使いのできる少し高級感のあるブランドで、セレクトショップで販売されていてもおかしくないような商品を品揃えしていきます。