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今枝昌宏「ビジネスモデル考」(11月18日)

ストーリーとしての経営戦略は、なぜ重要?成功モデルに共通する3つの「筋」

文=今枝昌宏/エミネントLLC代表パートナー

(3)最後に、現状から勝利の状態、あるいは将来あるべきビジョンに至るための大きな状況転換のプロセスであり、(1)や(2)よりも一段上の大きな筋である。このプロセスは「ロードマップ」などの語で呼ばれることが多いかもしれない。例としては、どの敵から撃破していくかとか、自社の成長に従って業界構造がどのように変化していくかなどに関するプロセスである。ビジネスモデルでいうと、例えば「スキミング」は、最も高密度ないし高級な顧客からピラミッドを下っていくことによって敵を駆逐していくという大きなプロセスが予定されている。このプロセスは現状から未来のあるべき姿へと時間とともに流れる、後戻りのない一方的なプロセスである。

 以上のようなストーリーが読者の会社の戦略として検討されているのか、もう一度確認してみていただきたい。描かれていなければ、一度上司や同僚とディスカッションしてみることを強くお勧めする。このような動的な筋としての戦略のディスカッションは実に楽しいものなのだから。
(文=今枝昌宏/エミネントLLC代表パートナー)

今枝昌宏

今枝昌宏

エミネンスLLC代表パートナー。京都大学大学院法学研究科、エモリー大学ビジネススクールMBA課程卒業。ジャパンエナジー(現JX)、PwCなどのコンサルティングファーム、買収ファンドであるRHJI(旧リップルウッド)などでの勤務経験を持つ。著書に『ビジネスモデルの教科書』『サービスの経営学』など、訳書に『戦略立案ハンドブック』(いずれも東洋経済新報社)がある。ご連絡は、imaeda@eminent-partners.com まで。

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