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新・日本版シリコンバレーは成功するか?

楽天の三木谷浩史がぶち上げた世界ネットサミットは大丈夫?

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 シリコンバレーのように世界に飛翔するIT企業の集積地をつくりたい、と考えているわけで、その機運を高めるために今回発表したのが、世界のIT企業と交流するネットサミット構想である。

 だが、IT関連の若手社長によると、「日本とシリコンバレーは、決定的に違う」のだそうだ。

「米国ではITをやりたい若者たちがシリコンバレーに集まってくる。彼らは、プロジェクト単位で動く。スマートフォンをやりたかったらアップルに入り、交流サイトがやりたければフェイスブックに行く。『自分が何をやりたいか』がすべての行動の基準になる。興味のあるプロジェクトがあれば、そちらに移る。人材の流動性が高く、新しいネットビジネスも次々と生まれている。一方、日本は企業中心なので、人材の流動性は低く、会社の外で新しいビジネスを創造する意欲も乏しい。ITの分野で世界的に成功した企業が少ないのは、英語が話せないからでなく、人材の流動性が低いからです」

 楽天を一言で特徴づければ体育会系の会社となる。三木谷氏は一橋大学ではテニス部のキャプテンを務めた。上下関係は絶対。三木谷氏が白と言えば黒鷺でも白くなる。会社の公用語が英語という方針に逆らうのはご法度。絶対服従なのだ。

 三木谷氏は学生サークルの雰囲気を残しているネット起業家とはまったく肌合いが違う。ジーンズとTシャツ姿の彼らを徹底的に嫌った。いわば本人の心情とは水と油の関係にあるネットベンチャーを率いて、三木谷氏はネット業界の総理になれるか。IT総理への道は近くはない。

 来年の第1回ネットサミットに、世界の最先端を突っ走る企業の、日本でも名前をよく知られているトップを呼ぶことができるか、これが最初のハードルとなる。最初良ければすべて良し、とはならないが、まず、ここで実績を作らないと毎年、会合を開くこともできなくなる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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