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野依氏の退任が報じられた3月6日、山梨大学はSTAP論文の共著者で同大教授の若山照彦氏(47)に対し、厳重注意とするとともに、現在勤めている同大発生工学研究センター長としての職務を3カ月間停止する処分を発表した。同問題は生命工学分野で最優秀といわれた学者の一人を自殺に追いやり、もう一人にキャリア上での重大な瑕疵を残した。しかし、小保方氏を含めこれらの学者たちは皆、野依氏が指揮監督する組織に属していた。
●遅きに失した対応
理研改革委員長の岸輝雄・東大名誉教授は「野依理事長の責任は重い」と、次のように指摘している。
「こうした事態を招いた理研の責任は重い。一連の提言は野依良治理事長が決断すればすぐに実行できたはずなのですが、あまりにも対応が遅かった。組織を守る気持ちはわかりますが、ある種の怠慢であり、謙虚さに欠けていたと感じざるをえません」(「週刊朝日」<朝日新聞出版/14年8月22日号>より)
STAP細胞問題により日本のアカデミー全体に対する世界からの信頼も大きく揺らいだ。しかし迅速的確な対応があったなら、その傷は随分小さくもできたはずである。傑出した選手でも優れた監督になれるわけではない。これは野球などスポーツでよく言われることだ。ノーベル賞学者でも優れた経営者になれるわけではない、といえよう。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)
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