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筆者が実際に受けている非上場企業での社外取締役(非常勤監査役として役員会に出席)では、率直な感想を述べたり、理解できないことは聞くようにしている。社内役員たちには十年一日のような成り行きでも、筆者のような外部の眼で見ると不合理だったり、ほかに有効な選択肢が見えたりするのだ。そして、そんな異見や見方を示すのが社外役員の役割だと思っている。ちなみにこの企業は、筆者が社外取締役に就任するまで4年間営業赤字だったが、筆者が着任した年に黒字転換して、その後も好業績となった。
社外取締役と関連して注目されるのが、京王電鉄のケースだ。東証のガバナンスルール発表を受けるタイミングで同社は2月26日、「ガバナンス委員会」を設けた。社外取締役2名と代表取締役を含む社内取締役4名の計6名で構成される。この6名はまた取締役会のメンバーである。
取締役会が社外取締役を含め18名もいることから、このガバナンス委員会は京王電鉄の経営意思決定に寄与するはずだ。18名も「並び大名」がいるところで、外様の社外非常勤取締役が多くの案件で意見を開陳し、深い議論をすることは実質的でない。京王電鉄のトップ経営陣が外部取締役の意見を積極的に取り込もうとする姿勢は評価されていい。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)
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