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2023.02.10 18:07
2015.04.28 00:09
大崎孝徳「なにが正しいのやら?」
そもそもサントリーに品薄商法をする理由はない 大ブームはメーカーにデメリットばかり?
一方、品薄商法が有効に機能する業界もあるかもしれません。例えば、自動車は食品などと比べれば商品数も少なく、莫大な投資のもとに開発されて市場に投入されています。よって、自動車メーカーにとって1つの商品の成否が経営に与える影響は大きいといえます。また、購入者側からみても、販売店に行きそのまま自動車を買って帰ることはできませんし、納車まで通常1カ月待ちのものが2カ月となっても、それほど大きな問題にはならないでしょう。よって、販売計画を少なめに設定し、その何倍もの注文を受けて好調という評判を得るというメリットの大きさに対して、デメリットは小さいように思えます。
しかしながら、食料品であればいつもの店舗に出向き、品切れの時点で消費者は嫌悪感を抱き、別の店舗にもなく、さらに1カ月先にしか入手できないとなれば、消費者は大騒ぎとなります。企業にとっては、利益率を悪化させるばかりではなく、評判も大きく落としてしまいます。
売れないのはもちろん問題ですが、売れすぎても困る――。商売というのは本当に難しいものです。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)
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