ぐっちーさん、Facebookとギリシアは終わってる?を読み解く4本
昨年のやつですけどね。
ということで、ここで一体何をするのかよくわかりませんが、とりあえず今週は「ギリシアはどうなるのよ?」って話からいきますか。
Apocalypse Fairly Soon By Paul Krugman – The New York Times(5月17日)
結論からいうと、ユーロを離脱するしかないんですよね。でも日本のメディアでは誰も書かない。ということで、やはりここは王道のNYT(The New York Times)あたりを読んでいないと、行く先を見誤ってしまい、ユーロをナンピン(保有株が下落した際に、平均取得価格を下げるために、さらに買い増しをすること)なんてばかな話になるわけです。私が言っても信用がないので、この際クルーグマン先生の記事をご覧ください。
え、英語はいやだって?
言っときますけど、英語メディアを読まない限り、少なくとも経済に関しては真実はわかりません。
先日は読売新聞がロイターの英文記事をそのまま自動翻訳機にかけて、「野田首相がこれまで一番聡明な(!)首相と言われた」と、世紀の大誤訳を披露したわけですが、あれは「the most sensible」という表現でして、要するに「今までで一番ルーピーじゃないやつが来た」って書いただけ。このあたりのニュアンスは、記事前文を読めば簡単にわかるのですが、読売クラスだとどうも自動翻訳機のほうが上にくるらしいです。つまりご自分でお読みになるしかない、ということなんですね。
で、クルーグマン先生は、当たり前のことをおっしゃっているんです。
つまり、今ギリシアの銀行の預金がガンガン引き出されている。もちろんユーロですよ。それを供給できるのはECB(欧州中央銀行)以外にないわけです。で、この供給が止まった瞬間にすべてが終わる……。それだけのことだよ、と喝破されているのです。政治家が何を言おうと、ユーロ共同債券を発行しようと、ECBが現金を供給しなくなった時点でギリシアは自分で生きていかねばならなくなるのです。だって、勝手にユーロを印刷したら、それ偽札ですから(笑)。そういう当たり前のことを言える経済学者がメディアには登場しないし、通常のメディアの人々はまったくわかろうともしない……ので、英語メディアが重要なツールとなるのです。
それから欧州関連では、このあたりの記事もマークですね。日本メディアで伝えられているニュアンスとは、かなり違う……
Europe Weighs Exit Scenario – THE WALL STREET JOURNAL(5月20日)
要するに欧州の公的機関ではなんだかんだ言って、いつギリシアが出て行ってもよろしいよ、という体制づくりが始まっている……という事実は、しっかり把握されていたほうがよろしいかと存じます。
ちなみにGrexitという英単語はすでにご存じですか?
完全に定着しつつあります。そのものずばり「ギリシアのユーロ離脱」を一言にしたものです。
いかがです? 少しは真剣になられましたか?
で、日本もギリシアになるぞ、とかいう馬鹿者が多数いるわけです。正直頭のどこかが変なんだと思いますけどね。このニュースを見て、よく考えてみてください。
日本の対外純資産253兆円、21年連続世界一 – YOMIURI ONLINE(5月22日)
これ、読売新聞の記事ですけどね。21年連続で世界最大の債権者、つまり世界で一番の金貸し業者が日本なわけです。円高で評価が低くなっていて、なおかつこれですよ。
なんで、その国がギリシアと同じなんだか、小学生でもわかりそうな話なんですけどね。で、揚げ句に消費税まで上げられようとしているんですから、そろそろ真剣にみなさんで怒らないと!
ちなみにこの「対外純資産」というデータに関連して、世界中の国を、「他国に金を貸している国」「他国から金を借りている国」に分けてみると、「貸している国」というのは意外と少なくて、しかも、貸している債権総額の90%は日本が占めている、という実態もございます。世界中の「貸している金」の9割を持っているやつが倒産するなら、その前につぶれる奴がほとんどなわけで、消費税を上げる前に回収してくるのが、財務省の本当の仕事ですわな。