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厚生労働省が23日発表した2023年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年度比2.2%減った。低下幅は消費税増税の影響で物価が上昇した14年度(2.9%減)以来、9年ぶりの大きさとなった。
実質賃金のマイナスは2年連続。給与の伸びは堅調に推移しているものの、円安や原油高を背景とする物価上昇に追い付いていない。
基本給や残業代などを合わせた23年度の名目賃金は、月平均で33万2533円と前年度比1.3%増えた。プラスは3年連続。就業形態別では、正社員ら一般労働者が1.7%増の43万8696円、パートタイム労働者が2.4%増の10万5989円だった。
一方、実質賃金の算出に用いる23年度の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.5%上昇。食料や日用品などで幅広く値上げが浸透し、伸び率は2年連続で3%を超えた。
足元では3月の実質賃金が前年同月比2.5%減と、過去最長となる24カ月連続のマイナスを記録。高水準の賃上げ回答が相次いだ24年春闘の結果は今後順次反映されるが、円安の加速で物価が上がり、実質賃金のプラス転換の時期は後ずれするとの見方も多い。
日本総合研究所の石川智久調査部長は「再び1ドル=160~170円に下落すると今年度中のプラス転換は難しい」と指摘。「働く人が多い中小企業に賃上げが広がらなければ日本経済全体が力強さを失う」として先行きを注視する考えだ。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/23-16:32)
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