財務省が19日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆2213億円の赤字だった。赤字は2カ月連続。資源高や円安の影響を受け、原油などの輸入額が膨らんだ。
輸入は前年同月比9.5%増の9兆4979億円と、2カ月連続で増加した。5月としては過去2番目の大きさ。石油製品が39.8%増、原油が8.1%増。アラブ首長国連邦(UAE)からの輸入増加が主因となった。
輸出は13.5%増の8兆2766億円。6カ月連続の増加で、5月としては最大だった。円安などを背景に自動車は13.6%増。米国向けがけん引した。半導体関連の製造装置は45.9%の大幅増で、中国向けが金額ベースで約半分を占めた。半導体など電子部品は24.0%伸びた。
対ドルの円相場が前年同月より20円程度円安に振れ、輸入額、輸出額ともに押し上げられた。
国別の貿易収支は、対米国が4736億円の黒字。自動車や医薬品の輸出が伸びた。対中国は5331億円の赤字だった。
◇5月の貿易統計
輸出額 輸入額 差引額
総額 82,766 94,979 ▲12,213
(13.5) (9.5) (―)
〔主要貿易相手別の内訳〕
中国 15,807 21,137 ▲5,331
(17.8) (12.3) (―)
米国 17,018 12,281 4,736
(23.9) (29.7) (10.9)
EU 7,146 9,863 ▲2,716
(▲10.1) (5.3) (―)
(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。カッコ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/06/19-12:18)