●ファミリーマートがサークルKを狙う?
コンビニの「進化」の代名詞になりつつあるのが、セブン-イレブンのセブンカフェの大ヒットだ。セルフサービス式のコーヒーで、レギュラーサイズが100円と、缶コーヒーよりも安いにもかかわらず味が良く、コストパフォーマンスが高いのだ(特集記事『缶より安く高品質を実現 コスト削減で原価率は50%!?』)。いまや、1店舗当たり1日50~100杯の安定した売り上げを見込める主力商品になっている。昨夏はアイスコーヒーの人気爆発で、需要が逼迫、欠品が相次いだのは記憶に新しい。この夏も、コンビニ各社、アイスコーヒーをめぐって熾烈な戦いを繰り広げた。
同誌9月13日号では、コンビニのアイスコーヒーをめぐる興味深い記事をコラムで掲載している(『コラム 氷の融通めぐって高まる サークルKの再編観測』)。
アイスコーヒーに欠かせない1杯約150グラムのカップ入りの氷だが、「セブン-イレブンは今年、氷の調達先を2社に増やし、安定供給の準備を整えた。ローソンやファミリーマートなども氷の確保に走り(略)製氷大手も今春から製造ラインをフル稼働させて対応に追われていた」(同記事)。
しかし、そこで出遅れたのがサークルKだ。「そこで氷を確保できなかったサークルKサンクスのために、ファミリーマートが氷メーカーの製造ラインの一部を明け渡したというのだ」(同記事)
その背景で、ファミリーマートがサークルK本体を虎視眈々と狙っているためだという。しかし、サークルKは、昨年2月にユニーグループ・ホールディングスの完全子会社となったばかり。「単独で売却される可能性は現状ではほぼゼロ」(同記事)とするが、はたしてどうなるか。サークルKをめぐる熱い戦いが続きそうだ。
「ダイヤモンド」の『From Editors』(編集後記)によれば、“夜行性”の編集部ではコンビニ依存生活を送っている人間が多いという。企画案を検討するデスク会議でも議論百出、コンビニ愛すら感じられる議論が繰り広げられたというが、まさに誰かに話したくなるコンビニネタが満載の特集だ。
(文=松井克明/CFP)