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●実質賃金は18カ月連続減
さて、それでは先行きはどうなるのだろうか。日本経済新聞が今回のGDP公表後にまとめた民間シンクタンク10社の15年度経済予測によると、平均でプラス1.8%の成長が見込まれるという。筆者はかねて、15年度は上振れして2%を超えるケースもあり得るとの立場をとってきた。シンクタンクの予測もそれなりの説得力があると考えている。
ただ、けん引役は引き続き米国向け輸出とみるべきだ。米国は、人口の増加と雇用の拡大、そしてシェールガス革命などに支えられて内需が旺盛だ。その米国向け輸出次第で、日本経済も上振れする可能性がありそうだ。
一方、個人消費が力強く経済をけん引すると期待するのは時期尚早だろう。春闘が本格化しており、大企業を中心に賃上げの動きが広がってきたのは事実だ。しかし、厚生労働省が公表している「毎月労働統計」をみると、実質賃金は昨年12月まで18カ月連続で減っている。輸入品の値上げや消費増税に、昇給のペースが追いついていないのである。残念ながら、状況を打開できるほど大幅な賃上げができる企業は多くない。これが、本格的な消費回復にまだ時間がかかる大きな理由である。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)
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