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橋本之克「カモられない!コミュニケーション」

「スクリーンとやりとりする」映画『キンプリ』、20回以上も劇場で観る客続出で異例ヒット

文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター

キンプリのヒット、見届けますか?

 以上は行動経済学で読む観客の心理である。これら以外にも、キンプリにはヒットにつながる仕込み要素が多い。たとえばダンスシーンの音楽に使われるTRFの『EZ DO DANCE』は、意外性と懐かしさを感じさせ、ターゲット層の関心を集めるだろう。さらにSNSでの話題拡散の“ネタ”ともなる。

 また応援上映をリードしたり、積極的に口コミ拡散を行うコアなファンを「プリズムエリート」と名付けて、味方にしている。これも効果的なPRのセオリーの一つだ。

 キンプリには、映画のみならずあらゆるコンテンツビジネスで成功するための、重要な秘密がいくつも隠されている。勇気を出して応援上映の独特な世界を、一度、体感してみていただきたい。
(文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター)

【参考文献】
『モノは感情に売れ!』橋本之克著(PHP研究所)

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

日本総合研究所を経てアサツーディ・ケイ入社。消費財から金融・不動産・環境エネルギーまで幅広く、マーケティング調査や戦略プランニングを行う。主な著作は『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)

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