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結末の詳細は省くが、美しい大団円を迎えたとだけ書いておこう。要造は決してだまされたのではなく、最期に幸せな時間を過ごしたのではないかとさえ思わせてくれる、いい話としてまとまっていた。
長澤も、しおらしく振る舞う様子から開き直った姿までを自在に演じた。なかでも、正体がバレそうになると被害者ぶって涙を浮かべ、逆ギレしてその場を切り抜けようとした場面は圧巻。中国人女優や縄文マニアなど、これまでに演じた珍妙なキャラクターもおもしろかったが、このドラマにおける長澤の神髄は「普通のキャラ」を演じた時の幅の広さにあると言えよう。これが2つ目のポイントである。
第7話で最もインターネットを騒がせたのは、3つ目のポイントである「パロディーやおふざけ」だろう。ボクちゃんがダー子に「はぁ……ガッキーだったらな」と言い放つ場面が、本作と同じく古沢良太氏が脚本を手掛けた『リーガル・ハイ』(同)で、堺雅人演じる古見門研介が新垣結衣演じる黛真知子に「あーあ、長澤まさみだったらなあ」と言い放つシーンの裏返しになっていたのだ。元ネタを知らなくてもおもしろいし、知っていればさらにおもしろいという意味で、これは良い“セルフパロディー”だった。惜しむらくは、ぼそっとつぶやくような東出の言い方だ。視聴者の中には聞き取れなかった人もいたようだ。ここはパロディーとして、堺の口調を真似して声を張ってもよかったのではないか。
とはいえ、第7話はそれくらいしか悪い点は見当たらず、これまでのなかでも1、2を争うほどの傑作だった。この勢いそのままに、最終話まで突っ走ってほしい。第8話は、りょう演じる「美のカリスマ」がダー子たちのターゲットになると予告されているが、どうやら一筋縄ではいかない相手のようだ。どんな仕掛けが待っているのか、楽しみである。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)
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