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『絶対零度』白石麻衣出演回で視聴率下落…白石の緊迫感欠く興ざめ演技で同ドラマ最低の出来

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 連続テレビドラマ『絶対零度 未然犯罪潜入捜査』(フジテレビ系)の第8話が27日に放送され、平均視聴率は前回から0.3ポイント減の10.0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。

 このドラマは、元公安のエリート・井沢範人(沢村一樹)率いる「未然犯罪捜査班(ミハンチーム)」の活躍を描く物語。警察が極秘に開発した「未然犯罪捜査システム(ミハンシステム)」が割り出した情報に基づいて殺人事件を犯そうとしている人物を捜査し、その犯行を未然に防ぐのが彼らの任務だ。

 第8話では、乃木坂46の白石麻衣が“危険人物”役としてゲスト出演した。ミハンシステムは白石演じる砂田繭美が最近拳銃を購入したとの情報をつかんでおり、彼女が誰かを殺そうとしていると判断したのだ。井沢と小田切唯(本田翼)は夫婦を装って繭美に近付き、彼女の計画を探ることにした。やがて、あまりにも悲しい事実が明らかになる――という展開だった。

 結論から言うと、この第8話は、前回までのいい流れを断ち切るような最低の回だった。予告映像にウエディングドレス姿の白石が写った瞬間から、ある程度覚悟はしていた。とは言っても、白石がアイドルだからダメだと決め付けたわけではない。確かにアイドルに演技力を期待することはできないが、どちらかと言えば、制作側がアイドルや事務所に対して忖度(そんたく)して、脚本がつまらなくなってしまう弊害のほうが大きい。第8話はまさにその危惧が当てはまったかたちだ。

 おそらく制作陣が撮りたかったのは、ウエディングドレスに身を包んだ白石が拳銃を構えるシーンだったのだろう。美女が武器を持つ姿はそれだけでも絵になるし、それが戦闘に不釣り合いな服装であればなおさらである。乃木坂46きっての美形と評される白石を起用することで、さぞかし美しい映像が撮れると思ったのではないだろうか。

 ところが実際には、能面のように顔をこわばらせた白石が、絶対に当たらなそうな距離から拳銃を構えただけで、緊迫感のかけらもない映像になってしまった。本当に殺そうと思ったら、至近距離になってから隠し持っていた拳銃を取り出し、相手の身体に押し当てて引き金を引くはずだ。いよいよ覚悟を決めて引き金を引く瞬間に、緊張感のない声で「キャー」と叫んだのも興ざめだった。なぜ拳銃を撃つ人間が「キャー」なのか。そこは女性であっても「ワーッ」と大声で叫ぶ場面だ。見せ場となるはずだったシーンなのに、「アイドルに残虐な演技はさせられない」「イメージを壊すようなことはさせられない」といった感じの大人の事情ばかりが透けて見えてしまい、白けた気分になってしまった。

 脚本も過去最低の出来だった。まず間違いなく「ウエディングドレス姿の白石が拳銃を構える」という結末ありきで書かれたと見え、これまでにはなかったような強引な展開が目立った。なかでも、ストーカーに拉致された繭美を山内徹(横山裕)と小田切が救い出すという展開は、完全に脚本が破綻していた。小田切は結婚間近の一般人を装って繭美に近付いたはずなのに、なぜか繭美の居場所を突き止めて駆け付け、山内と一緒に犯人をボコボコにやっつけてしまった。普通ならここで正体が警察だとバレてしまうはずなのに、なぜか繭美はこれをスルー。何も疑わず、殺人の計画をそのまま進めてしまった。小田切も繭美も頭が悪すぎる。

 井沢によって事前に弾が抜かれた拳銃を繭美がそのまま持ち出し、何も確認せずに撃とうとしたのも無理がありすぎた。さすがに、命を懸ける覚悟で殺人を犯そうとしているのだから、弾が入っているかどうか確認くらいするだろう。アイドルは発砲シーンすらNGなのだろうか。まあ、1クールの中で1話くらいアイドルを起用する話題性重視の回があってもいいと思うが、大詰めを迎える終盤でお遊びをやるべきではなかった。

 さて、次回は「ミハンチーム」の根幹や、海外で死んだことになっていた桜木泉(上戸彩)の真相に迫る回になっていくようだ。どんな仕掛けが待っているのか想像もつかないが、第7話までのクオリティーを保つことができればそれなりにおもしろい警察ドラマに仕上がるはず。余計なお遊びはやめて、いいドラマを作ってもらいたい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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