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吉田潮「だからテレビはやめられない」(12月16日)

『リーガルハイ』なぜ人気?胡散臭い良識と自粛を飛び越え、世間が抱く素直な毒を表現

文=吉田潮

●ワイドショーが自粛する領域まで踏みこむ

リーガルハイ』を見ていれば、「ああ、これは芸能人夫妻が起こした狂犬傷害事件の揶揄ね」とか「巨匠と呼ばれるアニメ監督がモチーフね」とか「毒婦と呼ばれる女の詐欺殺人事件がネタ元ね」など、手に取るようにわかる。美容整形に対する世間の偏見やゆるキャラ著作権問題、世界遺産登録をめぐる裏事情など、ワイドショー的要素もてんこ盛り。いや、ワイドショーですら自粛する領域へズカズカと踏みこんでいく。堺雅人という役者が制作側のイタコとなり、世間が抱いている違和感やストレートで素直な毒を吐きまくる。これが爽快であり、見事としか言いようがない。良識ある(とされている)大人は決して口にしないセリフがばんばん発せられるのが、小気味よいのである。

 シリーズ1、今年4月に放送されたスペシャルドラマ版を見逃している人は、冬休みの間にぜひ観てほしい。フジテレビは連続ドラマで10本に1本はこうした名作を生み出しているので、あなどってはいけない。

 残念ながら、今週18日(水)の放送分が最終回だ。2013年の毒納め、見逃すな。
(文=吉田潮/ライター・イラストレーター)

吉田潮

吉田潮

ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)で「TVふうーん録」を連載中。東京新聞でコラム「風向計」執筆。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)などがある。

Twitter:@yoshidaushio

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