流行のスマホ自撮り棒、実は30年前に発売されていた!なぜ時を経て今ヒット?
4月、NTTドコモから、手をかざすだけで自撮りができる「Galaxy S6/S6 edge」が発売されました。このスマートフォン(スマホ)は、自撮りをする際に起こる「片手で撮るからブレてしまう」「みんながうまく入らない」という顧客のニーズに応えたものです。そのほかにも、ワンタッチで写真を撮ることができるアプリや、撮った後の写真を加工するアプリが現在多く出回っています。
スマホ市場でここまで自撮りに焦点が置かれ、競争の対象になっている理由の一つに、セルカ棒(自撮り棒)の普及が挙げられるでしょう。これは、広範囲を自分でスマホ撮影したいときに使える携帯取り付け型の長い棒です。もともと「セルカ」という言葉は韓国で生まれたセルフカメラの略で、韓国人女性を中心に昨年爆発的ヒットとなり、それが日本に広まりつつあります。
自撮り棒人気の理由として東京都内の大学生数名からは、次のような声が聞かれました。
「写真を撮る時に人に頼まなくていいから楽」
「人混みでも上から撮れるし、背景もしっかりと写るのがうれしい」
「自分を見ながら撮れるので、シャッタータイミングがつかみやすい」
しかし、「人混みで使用している人は危ない。周りを見てほしい」など危険性を指摘する声も、主に男性に多く見受けられました。
使用規制に温度差
実際、自撮り棒の使用を規制している場所もあります。東京ディズニーリゾートが最たる例として挙げられるでしょう。自撮り棒の持ち込み自体は許可されていますが、周りの安全を考え、伸ばして使用することは禁止されています。
一方、訴訟大国である米国本国のディズニーリゾートでは、明確に禁止されていなかったようです。実際に動画サイト「YouTube」上には、筋肉質な男性がビッグサンダー・マウンテンで片手に自撮り棒を持ち、一切ぶらさず気合で最後まで撮影しきって友人たちとはしゃいでいる動画がいくつもアップされています。
また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では他の客の迷惑にならない程度であれば、使用は許可されているようです。この対応の違いは、世間の自撮り棒に対する意見の二極化を象徴しているのではないでしょうか。強制的に使用を規制するにしろ、一人ひとりのモラルに一任するにしろ、自撮り棒は少なからず「危険である」と認識するべきです。
なぜなら、もし実際に日本一怖いと認識されている富士急ハイランドの「高飛車」(最大落下角度121度の新・大型ローラーコースター)でも自撮りにチャレンジする人が出てきた場合、落として他人に怪我を負わせるなど最悪の事態が起こりかねません。禁止をされていない場所であろうとも、私たちはリスクを伴うことを認識して行動する必要があります。