新見正則「医療の極論、常識、非常識」
テレビを観ると認知症になる? テレビの情報を信じて踊らされる人々
文=新見正則/医学博士、医師
「正しい医療情報」とは
しかし、医療の領域では真偽を確かめることは結構至難の業です。将来的には、正しい情報は集約されていきますが、今ここで正しいとされていることは、実は不明なことが多いのです。
マーケット情報にも似ています。「景気は良くなる」と言う人もいれば、「悪くなる」と言う人もいて、そして彼らは数年後に自分の発言が間違っていたとしても、それを謝罪することはありません。医療や健康の情報も同じようなイメージです。
つまり、なんとなく良さそうなこと、そしてスポンサーの意向に反さず、かつ視聴率が稼げる生活・健康情報が流される傾向にあるということを理解したうえで、そうした情報に接することが大切です。テレビに踊らされるのではなく、正しくテレビを利用すればそれでいいのです。極論君も常識君も共に正論なのです。
(文=新見正則/医学博士、医師)