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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

100円ショップの「便利すぎる」大掃除グッズ・ベスト3!

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

 年末を迎え、新年への準備に追われる季節となった。年賀状を書いたり、おせちをつくり始めたり、忘年会で一年の疲れを忘れたりと人それぞれだが、今回は新年をきれいにスタートするために行う年末の一大行事、大掃除に焦点を当てて「ヒットの正体」を探っていく。

 皆さんは普段、100円ショップを利用するだろうか。タオルやクッション、文房具や収納ケースなど普段から使っているものだけでなく、発泡スチロールでできたマネキンやハロウィーン用仮装用品まで、すべて100円で買うことができる。

 そんな100円ショップにある、大掃除に役立つ“なるほど”アイディア商品ベスト3を紹介したい。

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・第3位:ブラインドクリーナー

 ブラインドがある家庭や会社にターゲットを絞ったアイディア商品である。一度に2~3枚まとめて掃除ができ、似た商品は以前からあるが、100円でこのクオリティは素晴らしい。普通の雑巾でも掃除はできるが、あれば確実に便利。100円ならばこれは欲しいと買ってしまうだろう。

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・第2位:折りたたみクロスハンガー

 ハンガーを真上から見て「十」の状態に開いて、ズボンを広げてコンパクトに干すことができるアイディア商品。乾きにくいズボンを広げることによって、速いスピードで乾かすことができる。コンパクトさ、シンプルさが非常に良くできている。ありそうでなかったアイディア商品だ。

・第1位:ペットボトルでおそうじ

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 今注目を浴びている便利・アイディア商品がこれ。洗剤や水を継ぎ足すという一手間をなくすことができる商品。ペットボトルに取り付けて使用するアイディア商品はたくさんあるが、このブラシはかなり良く出来ている。100円で一手間を省けるなら購入するだろう。腕をまくり上げ冷たい水で洗いものをする主婦の姿をヒントに、この商品を思い付いたのかもしれない。不満解消の最たるものかもしれない。

ヒットの正体

 以上みてきた商品は、どれもターゲットをピンポイントに絞って消費者の心を動かしている。消費者も気が付いていない「あっ、それ欲しかった」「これで不満解消された」という商品、これこそが「ヒットの正体」である。

 企業が商品を開発する際に、自社の都合や消費者調査に基づき、広い顧客ターゲット層を設定してしまい十分に差別化できない商品をつくり上げてしまうことがある。できるだけ多くの人に愛され手にしてもらうことを目標にしてしまい、商品が競合と差別化できないのだ。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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