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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

100円ショップの「便利すぎる」大掃除グッズ・ベスト3!

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

 確かに、商品の終着点は誰からも愛されることかもしれない。しかし、初めから誰からも愛されることを目指していては、消費者一人ひとりの心を動かせない。「全部平均点」の商品には、顧客の心は動かないのである。ターゲットの人物像も想像でき、「その商品を購入する具体的な理由や使用シーン=ストーリー」がつくれるくらいターゲットを絞らなければ、ブランド価値も方向も定まらず平均点の商品となってヒットしない。

 100円ショップは価格が決まっている。その価格の中で「おっ、これは面白い商品だ」と一瞬で目を引くような商品を開発しなければいけいない。100円という金額と、どれだけ良い意味でのギャップを出せるかが勝負である。

 面白いアイディア商品が陳列されていてつい買いすぎてしまう100円ショップには、顧客の潜在ニーズを見事につかむ商品が多く、バイヤーの腕が良いことには敬服する。一流メーカーには到底できそうもないことが実現されており、なかなか侮れない場所であるのは間違いない。メーカーのマーケッターには、頻繁に100円ショップを訪れることを強く勧める。

 参考までに、筆者は期限の切れたクレジットカードなどを使って、バスルームの水垢や換気扇の油汚れなどをそぎ落としています。これならタダでできます。いろいろな知恵を使えば、100円すら使わなくても大掃除ができます。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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