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世界一美味しいステーキはどんな肉?
パリ最高の精肉店のオーナーが世界で一番美味しいステーキを求めて、世界20カ国、200店を超えるステーキ店をめぐる『ステーキ・レボリューション』(2014年)というドキュメンタリー映画がある。そのなかで1位に輝いたステーキの肉は、のびのびと放牧されて育ったグラスフェッドビーフを熟成させたものだ。
グラスフェッドビーフも、熟成することによって、欠点である硬い肉質がやわらかくなる。また、うま味成分はさらに増し、美味しく食べやすい肉となるのだ。
グラスフェッドビーフはどこで食べられる?
とはいえ、日本ではグラスフェッドビーフの流通はまだ少ない。日本で比較的入手しやすいグラスフェッドビーフは、ニュージーランド産の牛肉だろう。ニュージーランドでは99%の牛が放牧によってグラスフェッドで育つ。またオーストラリア産のオージー・ビーフにもグラスフェッドのものがある。ただし、なかには日本の消費者向けに穀物飼料を与えて仕上げ飼育をしている場合もあり、これはパッケージなどからはわからないのが現状だ。日本産のものだと、北海道様似町の野生牛が完全放牧のグラスフェッドビーフとして有名だ。
日本でもグラスフェッドは静かな広がりを見せているが、食肉業界では霜降り肉を最上級とする牛肉の等級付けで卸価格を決めているため、独自の販売ルートを持っていない生産者がグラスフェッドビーフを肥育するのは難しいという問題がある。
しかし、消費者の求める声が大きくなれば、市場も変わっていく。今後は熟成技術の広がりとともに、美味しいグラスフェッドビーフもわれわれの食卓に馴染み深いものとなっていくことが予想される。
(文=安中千絵/管理栄養士、フードコーディネーター)
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