新型コロナの流行で、公共交通機関の利用を控えて自転車通勤を始める人が増えている。その一方で、在宅ワークになったり外出を控えたりという人も増えており、フリマアプリの「メルカリ」を見ると、「自転車」に関係する商品が盛んに取引されていることがわかる。誰かの「不要」が誰かにとっての「必要」となる、フリマアプリらしい光景だ。
しかし、安さだけで飛びつくのはいささか危険だ。特に、自転車関連のアイテムは運転時の快適さを上げるだけでなく、事故の発生率を抑える効果があるものもある。モノによっては、確かに安いが、安全性に難がある場合も考えられるのだ。
そこで今回は、メルカリで買うのはあまりオススメできない自転車関連グッズを5つ紹介する。あくまで独断によるものだが、参考にしてもらえれば幸いである(各種情報は調査時点)。
ヘルメット
毎日自転車で通勤するとなれば、ヘルメットの着用はマストだ。値段はピンからキリまであるが、メルカリであれば定価が1万円近くするヘルメットも安く購入できる。
だが、ヘルメットは万が一の事故の際に命を守ってくれるアイテム。メルカリで買うにしても「新品」であればいいが、「中古」は少し危険だろう。使用した期間や劣化具合などが明確でない商品は、いざというときに衝撃をきちんと吸収してくれるかどうか、いささかの不安が残る。
さらに、あくまで素人の出品物のため、クリーニングが十分かどうかもわからない。衛生的な観点からも、中古のヘルメットはよほど信頼できる筋からの購入以外、避けた方が無難だろう。
サドルカバー
メルカリには300円台と激安価格で出品されているサドルカバーも多いが、その座り心地は走行時の快適度を大きく左右する。もちろん、高価な商品ほど良質で、安価な商品ほど粗悪というわけでもない。安くても本人に合う、コストパフォーマンスのいい商品も存在する。
しかし、メルカリでは肝心の座り心地や素材感を体験することはできない。いかに「機能性が優れている」という説明があっても、万人に合うわけではないのだ。
メルカリに限らずネットショッピング全般にいえることだが、本人の体に触れるアイテムなどは、実物を手に取って、気になる点を確認してから購入する方が、満足のいくアイテムを手にできるだろう。
レッグバンド
パンツの裾がチェーンに当たったり、タイヤに巻き込まれたりすることを防ぐ「レッグバンド」。簡単に裾止めができるアイテムで、メルカリでも最低出品価格の300円で売られていることもあり、一見お買い得だ。しかし、「安ければ安いほどいい」と考えるのであれば、100円ショップの方が安く購入できる。
さらに、通勤で自転車に乗る場合は、夜間走行も視野に入れてアイテムを選ぶべきだ。自転車本体にリフレクターをつけるのもいいが、最近はレッグバンドにリフレクターがついているものもある。より安全な自転車通勤ライフを謳歌しようと思うなら、ただ裾を止められるだけのレッグバンドよりも少し金額を上乗せして、安全性の高いものを購入してはいかがだろうか。
自転車用リュック
自転車に乗って仕事に向かう場合、両手が空く「リュック」は収納力も機能性も申し分ない。最近では「自転車用リュック」という、背中と密着する部分の通気性を高めて蒸れにくいつくりになっているものも登場している。自転車通勤者はぜひチェックしたいアイテムだ。
もちろん、メルカリにも出品している人は多くいるが、メルカリだと目当ての商品が見つけづらいという難点も。「自転車用リュック」で検索すると、リュックもカバーできる自転車用のレインコートや、自転車に乗るときに背負っても違和感がないカジュアルなリュックなど、さまざまなアイテムがヒットしてしまうのだ。
本来探している「自転車用リュック」を探すのに時間も手間もかかる上、複数の商品で比較もしづらい。メルカリでの購入は、あまりおすすめできないというのが本音だ。
ポンチョ型レインコート
雨の日に自転車に乗る場合、傘はさせないので、必然的にレインコートが必要となる。メルカリで「自転車 レインコート」と検索すると、ポンチョ型のレインコートが多くヒットするが、ポンチョ型は要注意だ。
ポンチョ型はかぶるだけなので着脱しやすいというメリットがあるが、一方で、風に煽られやすく、タイヤに裾を巻き込んでしまう恐れもある。事故にもつながりかねないし、レインコート自体もボロボロになってしまいやすい。買った矢先にタイヤに巻き込んで破いてしまった……ということを繰り返せば、安価なレインコートといえど出費もかさむもの。
ここは、ポンチョ型よりは少し高価な商品が多いが、セパレートタイプのレインコートを選ぶ方が、安全面でも金銭面でもうれしいことばかりだろう。
(文=清談社)