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膝に痛みを抱える人は必見!96%が「受けてよかった」と答える画期的治療法

文=ヘルスプレス編集部
膝に痛みを抱える人は必見!96%が「受けてよかった」と答える画期的治療法の画像1人工膝関節はQOLを大きく変える(depositphotos.com)

 人工膝関節置換術は、変形した膝関節の表面を取り除き、人工膝関節に置き換える手術療法。治療部位の切開(侵襲)の程度を最小限に抑え、患者の身体への負担とストレスを軽減する最小侵襲術(MIS)だ。

 痛みの原因部位を除去するので、痛みを緩和・除去する効果が高く、歩行能力や脚力が改善され、QOL(生活の質)が向上する。

 膝関節は大腿骨(ふとももの骨)の末端と脛骨(すねの骨)の上端にある。健康な人の膝は、膝関節の軟骨が膝にかかる衝撃を和らげ、滑らかに動くクッションとして働くため、スムーズに歩いたり、自由自在に曲げたり、しゃがんだりできる。

 しかし、膝関節は、加齢、肥満、外傷などによって変形するため、軟骨がすり減り、ひびが入って関節が変形する変形性膝関節症、関節リウマチ、外傷性関節炎を発症しやすい。軽症なら痛み止め、湿布、ヒアルロン酸の注射、リハビリ、装具の装着などで対処できるが、重症化すると人工膝関節置換術が行われる。

手術時間はおよそ1~2時間、入院期間は約1カ月

 人工膝関節は、関節の滑らかな動きを再現するために、大腿骨部(だいたいこつぶ)、 脛骨部(けいこつぶ)、膝蓋骨部(しつがいこつぶ) の3つの部位から成っている。大腿骨部と脛骨部は金属製、脛骨部の上面と膝蓋骨の表面は、軟骨の代わりになる耐久性の高いポリエチレン製だ。

 人工膝関節置換術の手術時間はおよそ1~2時間。感染予防のため、クリーンルームで施術する。術後約6週間で痛みやこわばりが解消し、杖を使った歩行、入浴、階段の昇降、畳に座る姿勢、トイレの動作などの日常生活動作(ADL)が可能になる。入院期間は約1カ月だ。

 人工膝関節置換術は、国内で30年以上の実績があり、整形外科の標準治療法として定着、手術件数は年間8万件以上に上る(矢野経済研究所「2015年版メディカルバイオニクス(人工臓器)市場の中期予測と参入企業の徹底分析」)。

 社会保険庁のデータ(2008年)によれば、人工膝関節置換術を受ける患者の平均年齢は、約73歳と高齢化が著しい。

人工膝関節置換術を「受けてよかった」患者は96%!

 人工膝関節置換術手術を受けた患者は、手術にどのような実感を抱いているのだろうか。また、膝の痛みを抱える変形性膝関節症の患者は、人工関節にどのような印象を抱いているのだろうか。

 月間600万人が利用する日本最大級の病院検索・医薬品検索・医療情報サイト群と医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(東京都港区)が行った調査がある。

 人工膝関節置換術経験者とその家族200名(本人78名/家族122名)および手術未経験の60歳以上の変形性膝関節症患者600名の合計800名を対象に、インターネットで2月14~20日にかけて行った「人工膝関節置換術に関する経験者・非経験者ギャップ調査」だ。

 人工膝関節置換術を受けた患者のうち、「これ以上の痛みに耐えられず受けた」人は66.0%、手術を決断する時に影響を受けたのは、「医師」62.0%、「家族」49.0%だった。

「手術を受けてよかった」と感じている人は96%、「適切なタイミングで受けた」と答えた人は56.0%、「もっと早く受ければよかった」は40.0%。

 手術を受けてよかった点は、「痛みが減った」69.5%、「前より楽に歩けた」58.0%、「自分の力だけで日常生活を送れた」34.0%、「前より楽に外出できた」22.5%など、QOLの大幅な向上が窺える。また、手術後は、「治療や介助・対策を特にしていない」35.5%だった。

医師に手術を勧められても受けるかどうか分からない54.0%!

 一方、人工膝関節置換術を受けていない変形性膝関節症の患者はどうだろうか。

 手術を決断する時に、「他人からの影響を受けない」と答えた人が26.5%いた。膝の痛みでできない行動は、「階段の昇降」51.0%、「運動」43.7%、「立ち座り」36.3%だった。

 現在受けている治療に対して不満を抱いている人は52.5%に上る。その理由は、「痛みがとれない」30.0%、「治療がいつまで続くのか説明がない」21.7%、「改善しているのかどうかの説明が少ない」15.3%だった。

 将来、症状が悪化し、医師から手術を勧められても、「受けるかどうかわからない」と考えている患者は54.0%もいる。「受ける」13.8%を大きく上回り、治療への信頼性が損なわれている実情が明るみに出た。

 ただし、手術について医師から説明を受けた患者は、「受けたい」31.8%、医師からの説明を受けなかった患者は、「受けたくない」20.7%と、医師のインフォームド・コンセントの重要性が明確になった。

 さらに、人工膝関節置換術に対しては、「費用が高い」34.3%、「手術療法に不安や抵抗がある」25.7%、「リハビリテーションが長い」24.3%と、マイナスイメージが強い。人工膝関節置換術を受けていない患者は、なんらかの治療や介助・対策を行っている人が84.7%と高いこともわかった。

 膝関節の激痛は、患者でない他人には想像すらできない。人工膝関節置換術を決断した人は大きな恩恵を受けるものの、手術を躊躇したり、警戒する変形性膝関節症の患者の苦悩も想像を絶する。健康な膝関節の有難さは絶大だ。加齢はだれも避けられないが、肥満や事故などによる外傷は未然に防げる。日頃から生活習慣の改善やリスク管理を徹底したい。

 なお、調査報告書を知りたい人は、以下にアクセスしてほしい。
http://www.qlife.co.jp/news/170316qlife_research.pdf

(文=ヘルスプレス編集部)

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