提供スピードの速さと安定のおいしさで人気を誇る牛丼チェーン。大手3社では、上半期(吉野家は3~8月、松屋とすき家は4~9月)の経営業績が発表され、コロナ禍による影響を多分に感じる結果となっている。
売上高、純利益は3社ともに前年同期比減。中でも吉野家は57億円以上、松屋は25億円以上の赤字を記録。だが、すき家(ゼンショーHD)は3社のうち最も赤字額が少なく、さらに10~11月が2カ月連続で前年同月比増収し、足元好調のようだ。
さて、そんな牛丼チェーン大手3社では、今年も冬の新メニューが続々と発売されている。そこで今回は、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が独自にリサーチした「この冬、買うべき3大牛丼チェーンの商品6選」をご紹介しよう。
吉野家/牛カルビ生姜焼き丼/548円(税別)
まずは吉野家から、季節限定メニューの「牛カルビ生姜焼き丼」。通常の牛カルビ丼は醤油だれで焼き上げているのだが、本品は生姜の香りがしっかりときいた吉野家特製たれを使用しているのが特徴だ。
本品に関して、SNSなどの口コミでは“牛カルビに生姜が合う!”“生姜で冷えた体もポカポカ”といった賞賛の声が多く寄せられている。体を温める効果がある生姜と牛カルビの相性のよさ、つまり季節限定ならではの魅力が高評価につながっているようだ。
また、特製たれがしっかり染みついているので、牛カルビとおおよそ1:1の比率で盛りつけられたサラダの存在も気が利いている。サラダと一緒に食べることで、サラダにもたれの味がのり、味わいが一層増すのである。別添のマヨネーズをお好みでつけ足すのもいいだろう。
吉野家/牛すき鍋膳/648円(税別)
こちらも吉野家の冬の定番、「牛すき鍋膳」。2020年1月掲載の当サイト記事「吉野家・すき家・松屋、今、絶対食べるべき商品6選!豚焼肉と牛カルビの鉄板コンビ」でも紹介したメニューなのだが、今冬も選出せざるを得ない絶品&人気メニューなので紹介しておきたい。
「牛すき鍋膳」はすきやき肉、野菜、うどんがバランスよく入っており、ボリュームたっぷりの一品。本品を頼めば、1日に必要な野菜半分の量が摂れるというのだから、味と栄養の両面での魅力を持ち合わせている点が魅力だ。
SNSなどの口コミでは“吉野家の牛すき鍋膳は世界で一番うまい”“週一で吉野家の牛すき鍋膳食べてる”など、ファンから愛されていることがわかるコメントが多い。確かに、実食してみると、特製すきやきたれの味つけはリピート必至の絶品。さらに、すきやき肉は赤身と脂肪のバランスが良く、大判なので食べ応えもある。すべての面において「また食べたい!」と思わせる納得のクオリティであった。
すき家/豆乳牛鍋定食/840円(税込)
続いては、すき家で2020年12月2日より発売開始した「豆乳牛鍋定食」。ゆずの風味が香る豆乳スープの鍋だ。別添で塩麴のつけダレがあり、お好みで具材につけて食べることもできる。いずれにしても、ボリュームたっぷりの季節メニューとなっているのだ。
新メニューへのアンテナ感度が高いファンからは、“ゆずの隠し味がおいしい”“豆乳スープと塩麴ダレとの相性がいい”という評判が相次いでいる。クリーミーな豆乳スープだけでも十分おいしいのだが、その評判通り、塩麴ダレと組み合わせることで本品は完成すると言えるだろう。
豆乳の甘さとまろやかさ、ゆずのさわやかな風味、塩麹ダレの塩辛さ。これらのマッチングによって、ご飯がたまらなく進むのである。この冬、リピーター続出間違いなしの新商品だ。
すき家/完熟バナナのチョコチップアイス/180円(税込)
続いてもすき家で、2020年11月4日に新発売した「完熟バナナのチョコチップアイス」。こちらは2021年3月下旬に販売終了予定のスイーツなのだが、冬季限定だけあって、冬でも食べたくなるくらいの魅力が詰まったアイスとなっている。
「完熟バナナのチョコチップアイス」の特徴は、完熟バナナをピューレ(擦り下ろして半液体状にしたもの)にしてからつくりあげるバナナアイスクリームをベースに、チョコチップを混ぜ、さらにチョコレートソースをかけあわせている点。ほどよい甘みが上品なのである。
そして何よりも特筆すべき点が、きわめてまろやかな食感。口の中で溶けるような感触の後に舌にのる味はバナナそのもの。さらに、チョコチップのパリパリとした食感もまた良いアクセントになっている。食後のデザート、というより、本品単体で食べる価値が十分あるくらいインパクトのあるスイーツだ。
松屋/うまとろ豚たま牛めし/650円(税込)
松屋で2020年12月1日より発売開始し、約 55万食で発売終了を予定している「うまとろ豚たま牛めし」。松屋が誇る「牛めし」に用いる牛肉に、特製ダレにつけ込んでとろとろになるまで煮込んだ豚肉をかけあわせた本品は、牛と豚のうまみを同時に味わえる一挙両得丼となっている。
それぞれの肉を交互に味わったり、混ぜ合わせて食べたり、別添の半熟玉子を好きなタイミングで崩してそれぞれの肉とからめたりと、食べ方はさまざま。牛と豚、両方食べたい! という方にはうってつけの商品なのである。
SNSなどの口コミを見ると、さっそく“半熟玉子がいい仕事している”など、松屋の狙い通りの反響が続々。豚、牛、鶏の3種の動物が織りなす自然界のハーモニーが生んだ逸品と言えるのではないだろうか。
松屋/ふあとろ玉子のあんかけ朝ごはん/390円(税込)
こちらは、松屋で朝5時から11時までしか注文できない朝食限定メニュー。「選べる小鉢」がついてきて、ミニ牛皿やミニカレー、とろろ、納豆、冷奴の中から好きな小鉢を選べるというものだ。今回はミニ牛皿をチョイス。
“あっさりしてて食べやすい”という評判の通り、口に運びやすいマイルドな味は、朝食としての機能を正しく果たしていると言えるだろう。そして、ふわふわな玉子があんとからんで、ご飯が進むのだ。
また、小鉢の存在が味わいに幅を持たせており、その日の好みによっていかようにもテイストを変えられる点もうれしい。がっつりいきたい日はミニ牛皿やミニカレーがうってつけだし、そうでもない日はとろろ、納豆などを添えてもいい。
――やはり冬の新商品は鍋を推している店が多く、企業努力がうかがえるクオリティが高い商品ばかりであった。他にも、スイーツを含め、こだわりと情熱を感じる商品が多数。気になった方は、ぜひ各店で注文していただければ幸いだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2020年12月10日現在のものです。