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すたみな太郎より焼肉ライクのほうが美味い?「脂身だらけ」批判の両店を比べてみた

取材・文=A4studio
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焼肉ライクとすたみな太郎、食べ比べてみた
焼肉ライクとすなみな太郎を実食比較!

 2018年の登場以後、急成長した焼肉チェーン店「焼肉ライク」。株式会社焼肉ライクが運営する同チェーン店は“焼肉ファストフード”と名乗っているとおり、食べるまでのハードルが比較的高い印象だった焼肉という食べ物を、より身近な存在にしたことで多くの注目を集め、一人焼肉ブームも牽引している。

 一方、同じく焼肉チェーン店として独自の存在感を放っているのが、株式会社江戸一が運営する「すたみな太郎」。その創業は1978年と「焼肉ライク」よりはるかに歴史は古く、格安の焼肉をおなかいっぱい食べられると、高い人気と熱心なファンを獲得してきた。

 そんな異なる出自を持つ両チェーン店だが、いずれもリーズナブルに焼肉を堪能できるという共通点があり、比較されることもしばしば。だが、ネット上では「格安の値段で食べられるけれど、肉の質はどちらもあまり良くない」「肉がほぼ脂身」といった批判的な指摘を目にすることもよくある。

 そこで今回は、格安焼肉チェーン店である「焼肉ライク」と「すたみな太郎」の両店に実際に足を運び、それぞれのコンセプトやシステムに客層、さらには肉質の違いなども併せて、忖度なしで比較してレポートしていきたい。

「焼肉ライク」:一人で気軽にサクッと食べられる焼肉ファストフード

【完了】「脂身だらけ」と炎上の焼肉ライクとすたみな太郎…両方食べてみたの画像2

 一人焼肉ブームを巻き起こした「焼肉ライク」。今回訪れたのは「焼肉ライク 八王子店」だ。都心の駅やターミナル駅などの繁華街にある店舗が多く、アクセスが良いのが「焼肉ライク」の特徴のひとつといえるだろう。

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 店内に入ると、アクリル板で区切られロースターが完備された一人がけの席に案内される。注文はすべて各席にあるタブレットで行い、エプロンや替え皿といった料理以外のサービスも注文できるなど、お一人様向けの工夫が各所に施されていた。

 単身で来店しているビジネスパーソンと見受けられる客が多く、男性客だけでなく女性客もいたのが印象的だった。ファミリー層などのグループ客がほとんどいなかったこともあり、店内の席は程よく埋まっていたがかなり静か。ジュージューと肉を焼く音とBGMだけが聞こえていた。

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 注文してから3分以内の提供を公式サイトでも謳っているように、料理が届くまでは迅速。今回注文したのは、1050円(税込、以下同)の「ミックスカルビセット(200g)」。特製のたれで和えられた牛バラカルビと豚カルビ、白米、わかめスープ、キムチがセットになった定食スタイルのメニューである。各席にトレーをはめ込むようなスリットが設けられてあり、こうしたセットメニューを頼むのが「焼肉ライク」では主流なのだろう。

 目の前にあるロースターは火の強さを調整でき、一人焼肉の醍醐味である自分好みの焼き方を楽しめるのが嬉しい。ネット上では肉の脂身の割合がそのときどきで変わり、「肉がほぼ脂身」の場合もあるといった不満の声もあったが、1000円程度で焼肉を堪能できるコストパフォーマンスを考えれば、あまり気にならないという人も多いのだろう。

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 セットで食べ足りない場合は、50gや100gといった少量でお肉単品での注文も可能。今回は590円の「牛タン」を追加オーダーしてみた。牛タンは少しコリコリする弾力のある食感と染み出すうまみで、満足感も高かった。

「すたみな太郎」:“食べ放題”をグループで満喫できるのが最大の魅力

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 次はバイキング形式が特徴の焼肉チェーン店「すたみな太郎」。

 肉の種類や味付けが豊富なだけでなく、寿司やデザート、サラダ、飲み物といったメニューも豊富なのも同チェーンの魅力だろう。

 今回訪れたのは「すたみな太郎 NEXT BIGBOX高田馬場店」だ。

 注文形式はメニューを個別に頼むのではなく、「ランチ50分コース(平日限定)」「ランチ100分コース」「ランチ130分コース」「ディナー100分コース」「ディナー130分コース」から好きなコースを選ぶスタイル。しかも、全コース「食べ放題」+「ソフトドリンク飲み放題」となっている。今回は1738円の「食べ放題 平日ランチ50分」を選択した。

 ちなみに11月18日、江戸一は原材料の高騰等の影響により12月2日から料金や食べ放題コースを変更すると発表した。店舗を訪れる際には、事前に確認していただきたい。

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 店内は4人がけのテーブル席がブロックごとに区切られており、回転寿司やファミレスを思わせる設計だ。そのため、一人で訪れるには少々広すぎる印象。今回は平日の昼間に来店したのだが、客層は学生と思しきグループ客や夫婦連れが多く、店内の雰囲気は「焼肉ライク」と比べると賑やか。急かされる空気もないので、ゆったりと楽しむことができた。

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 料理コーナーに足を運ぶと、さまざまな肉が大皿に山盛りになっていた。備え付けのトングでお好みの量を取るのだが、肉同士がくっついており、取り分けるのに少々手間取ってしまった。また、透明ケースなどもなく、そのまま皿の上に乗った生肉を客が自由に取るというスタイルに、このご時世的に衛生面が少々気になったのも事実。

 余談だが、肉を置いているコーナーのライティングが寒色系となっており、肉が青っぽく見えてあまり美味しそうではなかった。客席のソファや壁まで青でまとめられており、心理学的にあまり食欲がわかないようにしているのではないかと勘繰りたくなった。

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 さて、バイキング形式の食べ放題ということで、自分好みの「牛カルビ(醤油)」「牛壺漬けカルビ」「豚カルビ」「豚タン」などを取ってきた。ストレートな感想を言わせていただくと、その肉質は「焼肉ライク」よりやや劣るだろうか。脂身に関しては「すたみな太郎」のほうが多いかもしれない。

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 ロースターは一般的な丸型。縁に取り付けられた換気口が煙をよく吸ってくれたので、服に匂いはあまりつかなかった。

 さっそく焼きたてを一口いただいてみたが、どの肉も薄く切られており、柔らかく食べやすかった。このあたりは子ども連れにも配慮しているのかもしれない。ただ、少々薄すぎて肉々しいジューシーさはあまり感じられない。味は噛むほどに甘みが増し、口の中で脂身のうまみが溶けていった。

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 豚タンもかなり小ぶりな一口サイズ。タンの魅力である豊かな弾力はあまり感じられなかった。食べ放題なので、たくさん量を取れば満腹感は「焼肉ライク」より得られるだろう。ただ、味のクオリティーでいえば全体的に、かなりチープな印象を受けたのが正直な感想だ。

「焼肉ライク」の肉質も決して抜群に良いわけではなかったが、「すたみな太郎」と比べると相対的に「焼肉ライク」の肉のほうが上質だと感じた。

 ただ「すたみな太郎」のストロングポイントとして、やはり肉以外のメニューの充実度は特筆しておきたい。サラダ、焼きそば、チャーハン、唐揚げ、たこ焼きなどがズラリ。さらに寿司も食べ放題に含まれているのだ。

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 これらの料理も率直に言って質が良いとは感じなかったが、1738円のコースで、焼肉以外にもこれだけバラエティ豊かな料理が食べ放題というのはありがたい。企業努力なくして、この格安食べ放題は実現できないだろう。

総合値では「焼肉ライク」が勝利! 複数人なら「すたみな太郎」

 今回、両チェーン店を比べてみた総合値で満足度が高かったのは、ズバリ「焼肉ライク」だ。

 注文からわずか3分ほどで焼肉のセットメニューが提供されるというのはとても手軽で、“ファストフード”を名乗るだけのことはある。味に関しても、しっかりとお肉のジューシーさを感じさせる厚みがあった。ただ、リーズナブルに比較的に良い肉を提供しているためか、ガッツリ食べたいビジネスパーソンからすると量が少ないと感じるかもしれない。

 一方の「すたみな太郎」は、やはり「食べ放題」が最大の魅力で、満腹になることが約束されているのは嬉しいポイント。焼肉をはじめとした豊富な料理を、好きなだけとって好きなだけ食べられる開放感は、大人数で訪れるとより実感できることだろう。

 だが、味に関しては一歩「焼肉ライク」には及ばない印象。また先ほどもお伝えしたが、生肉が皿の上にそのまま置かれ、それを客が自由に取っていくというスタイルは、衛生面的にどうしても気になってしまいマイナス印象が大きかった。

 ネット上で噂されていた「肉がほぼ脂身」との疑惑についてだが、両チェーン店ともそこまで質の悪い肉ではない。もちろん脂身が多い肉もそれなりに混じっていたが、“ほぼ脂身”と非難されるほどではないと感じた。仮に脂身が多めの肉があったとしても、格安で焼肉を提供してくれている企業努力を考えれば、許容範囲だろう。

「焼肉ライク」と「すたみな太郎」、どちらも入りやすい格安焼肉チェーンではあるが、そのコンセプトはある意味、真逆といえる。今回は総合的に判断して「焼肉ライク」に軍配を上げたが、グループでワイワイ楽しく焼肉を楽しみたいのであれば、当然「すたみな太郎」がおすすめとなる。利用する人数や目的に応じて「焼肉ライク」と「すたみな太郎」を使い分け、充実した焼肉ライフを楽しんでいただきたい。

(取材・文=A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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