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米国で入手ほぼ不可能な超貴重「トランプワイン」、日本上陸!世界的賞も受賞

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
米国で入手ほぼ不可能な超貴重「トランプワイン」、日本上陸!世界的賞も受賞の画像1トランプワインを販売するGTのHPより

 トランプ米大統領が11月5日に来日したのに先立ち、洋酒輸入代理店のGT(代表取締役:勝見喜高、本社:東京都中央区銀座)はトランプ家が所有する「トランプワイナリー」で醸造したワインを輸入し、3日から店頭販売を開始した。

 今回輸入したのは「カベルネ・ソーヴィニヨン2015」と「シャルドネ2016」の2種類。これらはトランプホテルと直営レストランのみで味わえる非常に貴重なワインで、アメリカ本国でも入手は実質不可能という。日本ではいずれも9,500円(税抜き)で、全国の百貨店や高級スーパーのほか、インターネットなどで販売している。

「トランプワイナリー」のある米国のバージニア州シャーロッツヴィルは、建国の父として知られる第3代大統領トーマス・ジェファーソンの生誕の地。熱烈なワイン愛好家だったジェファーソン大統領が欧州からブドウの苗木を取り寄せ、邸宅「モンティセロ」の周辺にあったプランテーション農場でつくらせていたワインがバージニアワインの原点。 
 
 バージニアワインはこの20年で急成長し、バージニア州はワイン生産量が全米5位。その品質に定評があり、ホワイトハウスの晩餐会などでもよく使用されているが、ジェファーソンへの敬愛の念から長い間、同州はその輸出をためらっていた門外不出のワインだ。

「ジェファーソンが国外にもこのワインを広めたかったと書かれた遺書が出てきたことから、欧州に輸出されるようになり、アジア圏にも本格的に輸出が開始されました。その第一号がトランプワインの日本輸出だったわけです」(GT広報担当者)

 バージニア州には現在、3,000エーカー(1,214ヘクタール)の土地に7つのブドウ栽培地域(AVA)と280のワイナリーがある。なかでもトランプワイナリーは地元で最大のワイナリーで敷地面積は1,300エーカー(526ヘクタール)、敷地内にはワイン畑やワイナリーのほかホテルなども併設されている。

勝利のワイン

 前身の「クルーズ・ヴィンヤード&エステート」のオーナーがぶどうを植樹したのが1999年。親交のあったワイン醸造コンサルタントのミシェル・ロランにアドバイスを仰ぎ、ボルドースタイルのブレンドワインやスパークリングワインを生産した。ロランは世界的に知られるワイン醸造コンサルタントで、100以上のワイナリーにアドバイスを行い、無名のワイナリーを1年のコンサルティングで入賞させる“天才醸造コンサルタント”と呼ばれる人物。スパークリングの「ブラン・ド・ブラン(シャルドネ)」とロゼがいくつものワインコンクールで受賞している。

 そんな実績に目をつけ、2011年にトランプ家が買収した。現在の社長はトランプの次男、エリック・トランプ。最初の妻イヴァナとの息子で、同母兄姉にドナルド・トランプ・ジュニア、イヴァンカがいる。

 トランプが大統領選中にフロリダで行われた記者会見で、「東海岸で最大のワイナリー」「100%が私の所有で、抵当も借金もない」と宣伝し、記者にもふるまったことから話題となり、大統領当選後には「勝利のワイン」とも呼ばれるようになった。

「地元では、縁起のいい『勝利のワイン』『成功のワイン』として親しまれていますが、それだけではありません。今回輸入される『シャルドネ2016』はサンフランシスコ国際ワインコンクールで銅賞を受賞しており、味にも定評があります」(同)

 彼女にうんちくを披露しながら飲むのには、最適なワインかもしれない。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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