「TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア」内の「SHARE LOUNGE」(筆者撮影、以下同)
DVD・CDのレンタル事業や書店業で有名な「TSUTAYA」。そんなTSUTAYAの店舗のひとつである「TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア」が今、60分で食べ放題・飲み放題のスポットとして話題になっていることをご存知だろうか?
同店は、蔦屋書店が展開しているコワーキングスペース「SHARE LOUNGE」が併設された店舗。渋谷のSHARE LOUNGEは、書籍・雑誌が読み放題で無線LAN完備、さらには貸会議室も用意されていると、仕事の場としてもゆっくりくつろぐ場としても利用することができることが特徴だ。
そして、目下注目を集めているのがフリースナック・フリードリンクのサービスと、60分当たり1300円(税抜、以下略)のアルコール飲み放題プラン。渋谷を一望できる絶景スポットでスナックを肴にアルコールが楽しめるということで、最近人気が高まっているのである。
そこで今回は、実際に足を運んで、アルコール飲み放題プランを体験してみた。
噂のSHARE LOUNGEがある渋谷スクランブルスクエアへ
この書店は、2019年11月に開業した「渋谷スクランブルスクエア」内の施設。渋谷駅直結のため電車からだとアクセスしやすく、特にスクランブルスクエア方面改札がある東京メトロ銀座線からは1分少々でたどり着くことができる。
11Fへと上り、立ち並ぶ店の間を歩いていくと目的地に到着。書店と店内のスターバックスを横目に、正面向いて左側に設置されたSHARE LOUNGEの受付へ向かう。
一般席の利用料金は60分単位で、通常料金の場合1000円、アルコールプランの場合1300円となっていて、延長は30分単位で通常料金の場合500円、アルコールプランの場合650円だ。ほかにも1室当たりで料金が発生する会議室や、3500円の1日利用、3万円で1カ月利用し放題のプレミアムメンバーなどさまざまな料金形態が用意されている。
受付でアルコールプラン1時間と伝えると、料金システムやサービスについて説明されたのち、施設内でぶら下げるネックストラップとWi-Fiのパスワードが書かれた伝票ホルダーを渡され、おしぼりを取っていざ施設内へ。午前中に足を運んだからか、今回は空いている席を自由に選ぶことができた。
また、SHARE LOUNGE公式アプリでは空席状況を確認することが可能で、今回は利用しなかったが2週間前~15分前の座席予約もできるようになっている。さらに、アプリで予約した場合は通常料金が10%割引されるため、お得に楽しみたいという人は利用してみてほしい。
酒もスナックも超充実! 驚きのラインナップの豊富さ
渋谷のSHARE LOUNGEは料金後払いで自動延長も可。食べ飲み放題となっている施設内の飲食物はセルフサービスで、書籍や雑誌も自由に読める。また、スマホを充電したいときは受付から充電器を借りることもできるのである。
座席の種類はテーブル席や机上に厚めのパーテーションが設置されている個室風の席、複数人で利用する客専用のソファが置かれた席など多種多様。今回は渋谷の街並みが一望できる窓側の席を選んだ。
天気も良くなかなかの絶景。今回は午前の時間帯に訪れたのだが、熱心にノートパソコンに向かってキーボードを打ち込む方や飲み物を片手に本を読みふける方など、ほかの利用客も十数人ほど見受けられた。
今回の本題である食べ飲み放題の飲食品が置かれたコーナーに足を向けると、取り揃えられているスナックや酒の種類の豊富さに驚かされることとなった。
スナックバーは“ナチュラルフード”がテーマになっているそうで、ナッツ類や野菜・フルーツのチップ、グミなどが17種類も用意されていた。何も入っていない空の容器もあったので、日や時間によってはもっと種類が多いと思われる。
おやつ・おつまみコーナーは6つのケースがあり、なかにはそれぞれわさび豆や干物などが入れられている。偶然中身の詰め替えの現場に居合わせたが、前に入っていた商品とはまったく違う商品が入れられていたため、日時によってラインナップが大きく様変わりしているかもしれない。
そして、アルコールコーナーには缶ビール、缶チューハイにホッピーの瓶、チーズ、ソフトドリンクなどが入れられた冷蔵庫と、「STELLA ARTOIS(ステラ アルトワ)」と「Hoegaarden(ヒューガルデン)」の2種の生ベルギービール、角ハイボールのサーバーが設置されている。
このほかに珈琲や紅茶、ワイン、スープ、パン、さらにはソフトクリームも置かれていて、まさに選り取り見取りといったところだ。
美味しさも充分! だけどガッツリ飲み食いするには不向き?
せっかくだからとスナックバーとおやつ・おつまみコーナーからは全種類を手に取り、チーズも摘まんでからサーバーの生ビールと角ハイボールを注いで着席。
STELLA ARTOISはゴクゴクと飲める後味スッキリなビール、Hoegaardenは優しい口当たりながら麦の風味が感じられる深い味わいのビールと対照的。角ハイボールは、濃すぎず薄すぎずの絶妙なバランスで飲みやすい。
スナックバーのスナックはどれも高いクオリティでまとまっており、これはイマイチと思うようなものが一切なく好印象。甘味から辛味、塩味などさまざまな味の種類があるというだけでなく、甘いスナックでいえば素材を活かしたほんのりとした甘さからチョコによる強めの甘さまで揃えており、そのふり幅が大きいことも特徴的である。
一方で、おやつ・おつまみ6品とチーズはそれぞれスナックバーのスナックにはない味が楽しめるようになっており、非常に考えて商品が選ばれていることが伺える。
今回食したスナックのなかでも特にオススメなのはかぼちゃのチップ。控えめな甘さはそれ単体で楽しめるだけでなく、今回のようにスナックや酒を食べ飲み比べるというシチュエーションだと口の中をリセットする役割も果たしてくれるので、何種類も同時にスナックを味わう場面のお供にしてほしい。
最初に取ってきたスナックと酒を平らげたところで今回はタイムアップ。そもそもガツガツと食べ放題を満喫するような場でないこともあり、スナック用の容器が小さめでスナックを取るのに時間がかかってしまったことが原因だろう。
スナックバーの説明文に各スナックの味についてもいろいろと書かれているので、これを参考にして自分の好みに合うものの目星をつけて選んでいくのが正解なのかもしれない。
使用した容器の後片づけをして退席。時間の都合上、珈琲や紅茶まで味わえなかったという悔いが残ったこともあるが、本に囲まれた落ち着いた雰囲気のなかでのびのびと時間を過ごせるというのは十二分に魅力的で、自然と「また来たい」と思わせるような場所だった。
渋谷のSHARE LOUNGEは施設自体の雰囲気もあって、ガツガツと酒やスナックを楽しむのには向いていないが、親しい友人と軽く酒を楽しむ場や、ひとりでゆったりとした時間を過ごす場としてはちょうどいいだろう。特に澄み切った天気のなか、都会の喧騒から離れて酒の入ったカップを傾けるのは格別なので、ぜひ一度試してみてほしい。
(取材・文=大河原靖/A4studio)