ビジネスジャーナル > ライフニュース > ウコン飲用で肝機能障害の発生も
NEW
秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

ウコン飲用で肝機能障害の発生も…酒の飲み過ぎで肝臓障害の危険サインとは?

文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長
ウコン飲用で肝機能障害の発生も…酒の飲み過ぎで肝臓障害の危険サインとは?の画像1「Thinkstock」より

 年末年始の飲み過ぎが心配ですね。検診でいつもひっかかるのが肝機能です。肝機能はGOT(AST)、GPT(ALT)、ガンマGTPの3種類が有名です。3つとも重要な値ですが、一般的にGOTが高ければ肝臓がんを疑い、GPTが高ければ肝炎を疑います。

 ガンマGTPは、酒の飲みすぎの指標といわれていますが、実は数値を上げるのは、脂肪肝と薬物と胆道疾患の3つがあります。飲酒せずとも肥満になり脂肪肝が進行すれば数値は上がります。また薬物の代表がアルコールなので飲酒で上昇します。アルコールのほか、風邪薬や抗生剤、サプリメントなどでも上がります。

 胆道系疾患とは、胆石や胆嚢炎、胆管がん、膵炎、膵がんなどです。黄疸を伴うので目が黄色いと言われたら要注意です。黄疸の時は尿が黄色ではなく、オレンジ色になることを覚えておいてください。

 では、ガンマGTPの数値とは何を指すのでしょう。わかりやすくいえば「壊れた肝臓から出てきた肝細胞の残骸」の値です。血液中に流れ出てきた「肝酵素の残骸」により、肝臓の状態を計る指標となるわけです。

 肝臓は新陳代謝により、古い肝細胞を壊して新しく細胞を合成させますが、その正常な数値は男性で50、女性で40前後。80や90になると黄信号です。

 アルコールによる数値の上昇は、一定期間禁酒することで正常値に戻ります。さらに症状が進行すると数値が100から150になりますが、こうなると飲みすぎを越えて「アルコール性肝障害」という立派な病気です。さらに200から300ともなれば「アルコール性肝炎」ということになります。

 飲酒習慣のある人で痩せているのにガンマGTPの数値が高ければアルコールを減らすべきです。太っていて数値が高い場合、アルコールと体重のどちらが原因かはわかりませんので、2週間ほど禁酒して再検査をしてください。数値が目に見えて下がっていればアルコールが原因です。逆に、2週間も酒を飲まなかったのに数値が変わらなければ食事の摂りすぎが原因ですので、痩せる努力が必要です。もちろん相撲力士のように食事とアルコールの両方が要因ということもあります。

正しいお酒の飲み方

「週に1度は休肝日を」などといわれますが、1日抜いたところで劇的によくなるものでもありません。最低でも「4日飲んで3日休む」ぐらいがちょうどいいのです。

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「ガンにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。

ウコン飲用で肝機能障害の発生も…酒の飲み過ぎで肝臓障害の危険サインとは?のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!