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ただし、女性は若干の注意が必要です。妊婦についてコーヒー飲用の悪影響を解析すると、コーヒーを多く飲む妊婦はコーヒーを飲まない妊婦に比べて低出生体重児出産のリスクが31%、流産のリスクは46%、それぞれ高くなりました。さらに、コーヒー飲用によって女性は骨折のリスクが高まることがわかりました。
妊婦が摂取するさまざまな嗜好品は胎児に良くない影響を及ぼすとされているので、コーヒーだけが悪者というわけではないのですが、論文の著者は妊婦を除いてコーヒーの健康上のメリット・デメリットを比較すると、「1日2~4杯のコーヒーは、総じてメリットが上回る」と結論づけています。
とはいっても、眠りが浅くなったり心拍数が増加したりといった身体のバランスに影響を及ぼす作用も知られているので、「寿命を延ばそう」「健康になろう」などと思ってコーヒーを多量に摂取するのではなく、仕事でたまったストレスのリフレッシュや気分転換のお供として、上手に飲用したいものです。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー)
【参考資料】
「Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes」(サウサンプトン大学)
『カリカリベーコンはどうして美味しいにおいなの?食べ物・飲み物にまつわるカガクのギモン』(化学同人/Andy Brunning著、高橋秀依、夏苅英昭訳)
『マギー キッチンサイエンス -食材から食卓まで-』(共立出版/Harold McGee 著、香西みどり監訳、北山薫、北山雅彦訳)
『食べ物はこうして血となり肉となる~ちょっと意外な体の中の食物動態~』 野菜を食べると体によい。牛肉を食べると力が出る。食べ物を食べるだけで健康に影響を及ぼし気分にまで作用する。なんの変哲もない食べ物になぜそんなことができるのか? そんな不思議に迫るべく食べ物の体内動態をちょっと覗いてみよう。
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