コロナ禍で需要が高まり、空気清浄機が売れに売れている。業界売り上げ3位を誇るヨドバシカメラでは、加湿や除湿機能が付いたもの、花粉やハウスダストなどの有害物質を除去できるモデルなど、多様なアイテムをラインナップ。10万円近い商品から1万円以下のものまで価格帯は幅広いが、安さに釣られて購入すると、効果を実感できず残念な思いをすることも。
ここでは、ヨドバシカメラで買うことができる、リーズナブルではあるが上手に使いこなすのが難しい空気清浄機を見ていくことにしよう(価格はウェブ税込み)。
首掛け空気清浄機 ジュエル/1万8480円
「身に着けているだけで周囲の空気環境を改善する」といううたい文句が目を引く、首掛け式パーソナル空気清浄機。縦尺約8.5cm、横尺約3cmのコンパクトサイズであり、重さもわずか35gと、長い時間首にかけていても負担は少ない。
シックで機能美が映えるデザインであるため、街中で付けていても悪目立ちしないのもグッドなポイント。充電の持ちも良く、1日中稼働させても問題ない。首にかけてワンタッチで起動させることができるなど、操作がしやすいのも魅力だ。ビジネスシーンでもオフシーンでも、さまざまな場面で活用することができるだろう。
着用感や操作性に優れる本製品だが、機能面でいくつか残念な点が見受けられる。まず気になるのは、稼働音の大きさだ。起動するや製品上部から低い動作音が終始鳴り続け、室内で使うと否が応でも耳障りな印象を与える。周囲の人間に迷惑をかけるレベルではないものの、使用者は慣れるまで時間がかかるだろう。
花粉やタバコの副流煙から身を守ってくれるというのが売りだが、使用者のレビューを見ると、効果を感じることができないという声が目立つ。残念ながら、本商品を使用して、花粉や副流煙の除去にどの程度効き目があるのかを示した具体的なデータはない。効果を実感できるかどうかは個人によってバラつきがありそうだ。
光触媒 除菌・脱臭機 LED電球 ターンド・ケイ 昼白色/1万5180円
LED照明と空気清浄機が一体となったアイデア商品。光触媒が汚れた空気をくまなく吸着し、酸化分解してキレイな空気として排出する特殊な構造を持ち、トイレや玄関をはじめとした、屋内の臭いがこもりやすいスポットの脱臭・除菌を可能にしてくれる。
トイレに設置すれば、消臭剤を置く必要がないほど優れた脱臭力を発揮する。人感センサーが付いており、人が入室するとLEDが自動で点灯。スイッチを付けたり消したりする手間がないのも便利だ。また、消灯時でも脱臭・除菌機能を作動させることもできる。
ズバ抜けた消臭力を備える本商品だが、トイレ以外のスペースで使用することを考えると、他の空気清浄機に比べて魅力があるアイテムとは言い難い。脱臭、除菌機能と並び、空気清浄機のメリットとして挙げられる集塵機能が搭載されていないため、花粉やハウスダストといったアレルギー物質を取り除くことができないのは残念なポイントだ。
便利な人感センサーを備えるものの、人がいなくなってから電気が消えるまでに3分ほどかかるため、電気代の負担を気にする声も。電灯の色は太陽光に近い昼白色だが、その明るさや色を好まない人は使用が難しい。
トイレ用の空気清浄機として購入すれば高いパフォーマンスを発揮してくれるが、リビングや寝室で使うのには向いていない商品だと言えるだろう。
ピエリア クレベリンLED搭載 除菌・消臭器 6畳 ポット/1万970円
新型コロナウイルスから身を守るために、除菌機能に特化した空気清浄機を買い求める人が増えている。こちらの商品は、ウイルス除去や消臭等の働きを持つ二酸化塩素を発生させるというクレベリンLED搭載タイプだ。
二酸化塩素は空間中に浮遊するウイルスのみならず、物体に付着した菌まで除去するとされており、多くの人が出入りする玄関や家族が集まるリビングに設置することで、ウイルス感染防止の役割を期待することができる。
確かな消臭機能を誇るものの、稼働させると二酸化塩素特有の臭いが部屋全体に充満してしまうのがネックポイント。その臭いはツンとくるような激しさこそないが、苦手な人は気分を害してしまうかもしれない。
6畳ほどの広さであれば空間中のウイルスを99.9%取り去るとうたう本製品だが、残念ながら、二酸化塩素が新型コロナに有効かどうかの科学的根拠は今のところない。本商品を稼働させているからといって、感染防止対策が万全であるとは決して言えないのだ。購入する前に上記の点を鑑みる必要があるだろう。
ここで厳しい評価が下されたアイテムも、ネガティブな面をしっかり把握した上で購入すれば、もちろん問題はない。家電量販店の中でも取り扱い商品がダントツに多い“家電の森”ヨドバシカメラで、充実した巣ごもり生活に欠かせない高機能な空気清浄機を探してみてはいかがだろうか。
(文=清談社)