国連が発表している「世界幸福度ランキング」の前回調査で日本は156カ国中51位と、先進国の中では極めて低い順位でしたが、2018年度のランキングではさらに順位を下げ、54位に甘んじています。
そもそも幸福とはなんなのかという根源的な疑問符はつきますし、さまざまな要因があるので一概には言えないところもあることは承知していますが、それにしても多くの日本人が「自分は幸福ではない」と思っていることも事実でしょう。
常に上位を占める北欧諸国は、今回の調査でも、1位・フィンランド、2位・ノルウェー(前回調査では1位)、3位・デンマークと並んでいます。
ちなみに、韓国は日本よりさらに下の57位、中国は86位でしたが、それで安心したり喜んだりする気には到底、なれません。おまけに、東京オリンピックが開かれる20年には「1人当たりGDP」が韓国に抜かれるとの予想もあります。この計測方法にもさまざまな問題があり、単純に比較はできないのですが、日本がこれから迎える本格的な少子化を考え合わせると、明るい未来を想像しろというほうが無理かもしれません。
幸福感を得るために、それほど多くのお金が必要とも思いませんが、普通に暮らしていける程度には必要でしょうし、そこに安心感を持つことができれば、幸福度は上がるかもしれません。しかし、その安心できる程度のお金を得られない人が増えていて、今後さらに増えると予想されていることから、そのような心情が幸福度に微妙に反映するのだろうと思います。
日本の相対的貧困率は、じりじりと上昇を続けており、超高齢化とともに介護問題も併せて、社会としてなんらかの解決の道を見いださなければならない重大な問題になっています。
たとえば、今現在も起きていることですが、親の介護のために仕事を辞めなければならない方が激増しています。いわゆる介護離職です。その方たちのなかで、親御さんがお亡くなりになった後、それを看取ってから職場に復帰しようとしても元には戻れず、かといって年齢も嵩んでいることから、新しい職業にも就けないという方がいらっしゃいます。そして結局、仕事がないまま貧困状態に陥ってしまう方も増えています。