ビジネスジャーナル > ライフニュース > 認知症発症は老前の食事が大きく影響  > 2ページ目
NEW
南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

老後の認知症発症、「老前」の食事が大きく影響

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 総体的に見て、ここ20年ほどの間、日本人の実質の所得は増えていません。加えて、来年にもし、日本銀行が現行の量的緩和政策をやめた場合、株価が暴落することもあり得ます。

 そもそも、今の不自然な円安状況は、政策によって無理矢理つくり出したもので、限界があります。その円安に支えられての株価だったわけで、これもある意味でバブルといっていいのかもしれません。

 さらに、東京オリンピックが終了した後には、およそ20兆円から30兆円規模の経済の落ち込みがあると予想する経済の専門家もいます。事実、国際通貨基金(IMF)によると、過去8大会においてオリンピック後に経済が落ち込んでいるそうです。果たして、私たちはそれを乗り越えることができるのでしょうか。乗り越えられなかった時には、どうなるのでしょうか。

老後の不安も増大する日本社会

 そのようなことを日常的に考えている人の数は少ないとは思います。しかし、無意識レベルでは漠然と感じているのかもしれません。「なんとなく不安」「どうも何かがおかしい」「これからどうなっていくんだろう」――そういう気持ちは、多くの日本人の中に存在していて、それが集合的にひとつの意識を形成しているのではないでしょうか。もしかしたら、幸福度ランキングには、そのような意識が反映しているのかもしれません。

 老後のことが心配という人は多いと思いますが、その心配はすでに現実になっていて、一時話題になっていた老々介護の時代から、今はもう一歩進んで認々介護の時代に近づいています。いや、もう突入していると言ってもいいのかもしれません。

 老々介護とは、高齢者が高齢者の面倒を見ることですが、認々介護は、認知症の方が認知症の方の介護をするということです。認知症の方の数はどんどん増えていて、内閣府の発表によれば12年に462万人だった認知症患者数(高齢者の7人に1人)が、25年には、なんと700万人になり、高齢者の5人に1人が認知症患者になると予想されているのです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

老後の認知症発症、「老前」の食事が大きく影響のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!