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輸入野菜・果実、国産に比べ著しくビタミン等の栄養成分が少なく…高血圧悪化の危険も

文=小倉正行/フリーライター
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(2)ナトリウムの含有量

 食品成分表基礎データを見ると、国産ブロッコリーのナトリウム含有量(mg)が3試料で5.9、4.2、2.9であるのに対して、輸入ブロッコリーでは50.8、31.0、24.8と、国産ブロッコリーの9倍のナトリウムを含有しているのである。また、国産レタスのナトリウム含有量(mg)が2.2であるのに対し、輸入レタスでは44.8と22倍のナトリウムを含有しているのである。高血圧で低塩の食事指導をされている人が、知らずに輸入ブロッコリーや輸入レタスばかりを食べていたら、高血圧が悪化してしまうことになる。

 なぜ、輸入ブロッコリーと輸入レタスはこのようにナトリウム含有量が高いのであろうか。これらの輸入野菜はコンテナで氷詰めの状態で低温保存されて日本に運ばれるが、その鮮度確保のための氷が海水によってつくられている。なぜ海水を使って氷をつくるかといえば、真水の氷に比べて溶けにくいからである。また、航海中何回も氷を取り替える必要があり、真水で氷をつくろうとすれば、大量の真水を船舶に積み込まなければならない。

 海水に含まれるナトリウムが、鮮度確保のための氷を通じて野菜に移行していると考えられ、輸入ブロッコリーや輸入レタスのナトリウム含有量が高いのは構造的な問題といえる。

成分表で明らかになった輸入食品と国産品との違い

 では、今回の成分表の7訂版で導入された輸入食品について、国産品との違いはどのようなものなのか見てみたい。

(1)さくらんぼ

 国産と米国産のさくらんぼを比較すると顕著な違いがある。それはビタミンAの含有量である。ビタミンAの内訳を見ると、ベータカロテンは国産が81(マイクログラム)に対して米国産は20、ベータカロテン当量は国産が98に対して、米国産は23。要するにビタミンAの含有量は、国産が米国産の4倍なのである。ビタミンAは、目の神経伝達物質であるとともに、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から体を守る役割がある。また、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあり、あわせて免疫力を高める働きもあるとされている。

(2)大豆

 国産大豆と米国産大豆を比較すると、同様に違いがある。それはビタミンCの含有量である。国産大豆は3mgのビタミンCが含有されていたが、米国産大豆にはほとんどなかった。長距離移動中に消滅したと考えられる。

(3)小麦

 国産小麦と輸入小麦とは成分にはまったく違いがなかった。

(4)牛肉

 輸入牛肉と国産乳用肥育牛肉の栄養成分については、大きな違いは見当たらなかった。しかし、輸入牛肉は米国産牛肉ではなく、オーストラリアおよびニュージーランドの牛肉を対象としており、米国産についても情報開示が求められる。

 以上より、各食品について輸入品と国産品を分けて成分表を作成することは、国民が適切に栄養成分を確保する上で不可欠であるといえよう。
(文=小倉正行/フリーライター)

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