日本の食料自給率は先進国最低レベルの38%(カロリーベース)であり、私たちの周りには輸入食品が溢れ、避けることが難しくなっている。
・米:年間76万7000トン輸入。昨年は主食用利用枠いっぱいの10万トンが主食用に振り向けられた。
・小麦:2016年は544万トン輸入、自給率は11.9%。約9割を輸入に依存。
・生鮮および冷蔵野菜:80万トン輸入。そのうち61%が中国産。
・玉ねぎ:27万9000トン輸入。国内流通の20%が輸入玉ねぎ。
・長ねぎ:輸入量は5万5000トンで99%が中国産。
・ごぼう:輸入量は4万9000トンで98%が中国産。国内流通の35%が輸入品。
・にんにく:輸入量は2万トンで93%が中国産。国産にんにくの生産量1万4300トンの1.4倍。
・ブロッコリー:輸入量2万6000トンで90%が米国産。
・人参、かぶ:輸入量9万2000トンで91%が中国産。
・ジャンボピーマン:輸入量4万トンで74%が韓国産。
・冷凍野菜:輸入量は94万トン、中国と米国で75.5%を占める。
・牛肉:輸入量(部分肉ベース)は52万5000トン。国内生産量の1.6倍で、国内流通量の62%が輸入牛肉。
・豚肉:輸入量(枝肉ベース)は125万2000トン。5年間で115%の増加率、国内生産量127万7000トンに匹敵する量。
このように輸入食品が溢れる実態が、2015年に策定された日本食品標準成分表(7訂版、以下:成分表)に反映されているかが、今、問われている。成分表とは、「食品100グラムあたりのエネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった栄養成分値を収めた資料。食事の栄養計算や加工食品の栄養成分算出の基礎になり、学校給食や病院食づくり、栄養指導などに使われる」(16年2月3日付朝日新聞より)もので、文部科学省が概ね5年ごとに策定している。
学校給食や病院食のメニューづくりや栄養指導に欠かせないものだけに、そのデータの正確性が求められる。
長期間の輸送に伴う栄養成分の劣化
では、成分表では輸入食品はどれだけ扱われているのか。調べてみると、輸入小麦、輸入大豆(米国産、中国産、ブラジル産)、中国栗(甘栗)、ブラジルナッツ、オレンジバレンシア(米国産)、さくらんぼ(米国産)、輸入牛肉と、わずか7品目にとどまっている。