実は、これでも前進である。2000年に発表された成分表(5訂版)では、輸入品と国産品との相違を明らかにすることを目的としていないとして、輸入食品の扱いは一切なかった。15年間でやっと7品目が掲載されることになったのである。
しかし、輸入食品には、明らかに国産品と栄養成分が異なっているものがある。それは、成分表(5訂版)を策定する際に使用した食品成分表基礎データで裏付けられている。
(1)ビタミンC含有量
・アスパラガス:国産(5試料)ではビタミンC(mg)が24.9、21.4、20.4、15.0、10.0であるのに対して、輸入(3試料)では15.5、9.5、6.9となっている。明らかに国産品のほうが含有量は多い。
・枝豆:国産(4試料)ではビタミンC(mg)が33.3、32.4、32.0、27.1であるのに対して、輸入(2試料)では22.5、12.7となっている。
・さやえんどう:国産(3試料)ではビタミンC(mg)が81.0、76.1、62.6であるのに対して、輸入(3試料)では54.4、46.8、41.7となっている。
・にんにく:国産(3試料)ではビタミンC(mg)が17.3、17.1、10.1であるのに対して、輸入(3試料)では6.5、6.5、4.6となっている。
・ブロッコリー:国産(3試料)ではビタミンC(mg)が173、171、99.9であるのに対して、輸入(3試料)では103、100、85.5である。
輸入野菜は長期間の輸送を経て日本に来るが、貯蔵日数が長くなれば全糖、ビタミンC、クロロフィルなどが減少することは、さまざまなデータで明らかになっている。ただし、貯蔵温度によって減少率は異なっている。たとえばほうれん草では、全糖は30度では3日間でゼロとなり、0度では21日間で半減する。ビタミンCは30度では4日間でゼロに近くなり、0度では21日間で約30%減少する。
輸入野菜は明らかに国産野菜よりビタミンCの含有量が少ない、それが長期間の輸送に伴う成分劣化に起因していることは十分想定される。