なぜ単身シニア男性ほどスーパーで揚げ物を買うのか?誤解だらけのシニアの消費動向
スーパーには、コロッケやとんかつ、海老フライなどの揚げ物の惣菜がいっぱい並んでいます。最近は、コンビニエンスストアでも揚げ物の惣菜が増えてきました。揚げ物の惣菜は、「外食」と「内食」の間に位置する「中食」の代表的な商品です。
では、こういう揚げ物の惣菜を誰が買っていくか、意識して見たことはあるでしょうか?店頭でちょっと観察をしてみると、ひとりで買い物に来ているシニア男性がけっこう多いことがわかります。
総務省の家計調査で確かめてみると、単身世帯のシニア男性(65歳以上)は、単身世帯の若い男性(34歳以下)より、たくさん揚げ物惣菜を買っています。例えば、コロッケは3.7倍、フライ・てんぷら全般で、1.4倍も買っています。消費支出全体や食料への支出金額は、34歳以下の男性のほうが多いので、シニア男性が揚げ物惣菜を好んで買っていることがわかります。
また、ロールパン、レーズンパンなどの「パン」を買っていくシニア男性を、スーパーなどで見かけることが多くありませんか。こちらも家計調査で確かめると、単身のシニア男性(65歳以上)は、単身の若い男性(34歳以下)より「ロールパンや食パン」を4.3倍、パン全体でも1.4倍も買っています。
イメージ的には、こってりした「揚げ物惣菜」も、洋風の食生活を連想させる「パン」も、シニア世代よりも若い世代が買っているイメージがありませんか。
なぜ、ひとり暮らしのシニア男性が、コロッケなどの「揚げ物惣菜」やロールパンなどの「パン」をよく買うのか、理由をみていきましょう。
単身シニア男性は、なぜ「揚げ物惣菜」をよく買うのか?
実は、シニア層に多いのが、こってりした脂っこい味が大好きな男性。頭では、脂肪やカロリーを摂り過ぎないように「健康に気を遣う」と言いながら、実際は「揚げ物」に目がありません。夫婦そろってスーパーに買物に来ている老夫婦が、ステーキの肉を品定めしている姿もよく見かけます。シニアは想像以上に、こってり味が好きなのです。
夫婦の場合は、奥さんが料理をすることが多く惣菜に頼る割合が下がりますが、単身シニア男性はそういうわけにはいきません。単身シニア男性は、調理経験が乏しかったり面倒くさかったりして、なかなか自分ではつくれませんが、大好きな「揚げ物」を家で食べたいと思ったら、「惣菜」に頼るしかないのです。