太りたくない、でも食べたい――。
昼食で、本当はカツ丼を食べたくても、カロリーが高いため我慢している方に朗報です。昼食でカツ丼を食べても太りにくい食事法があります。その食事法を紹介する前に、なぜ太るのかをあらためて考えてみましょう。
当然のことながら、食べ過ぎれば、余剰分が脂肪になります。その脂肪をつくるように指示を出しているのは、インスリン。インスリンは、血糖値を下げるホルモンですが、必要以上に分泌されれば、体の脂肪づくりに働きます。
つまり、体重を増やさないためには、インスリンの余剰分泌を抑え、「セカンドミール効果」を体に発揮させることが必要です。「セカンドミール効果」とは、最初に摂る食事(ファーストミール)が、次に摂った食事(セカンドミール)の血糖値の上昇を抑え、太りにくくする効果です。
しかし、朝食をやみくもに食べればよいというものではありません。「セカンドミール効果」の恩恵を受けるには、ある栄養成分をしっかり摂ることが必要です。
その栄養成分とは、食物繊維です。食物繊維を取り入れると、消化、吸収が緩やかになり血糖値が急激に上がらないように働きます。その働きの主役は、腸内細菌です。腸内細菌が食物繊維を発酵させるときにつくる水素ガスが、血糖値の上昇速度に関与していることがわかっています。水素ガスが血糖値の上昇を緩やかにして、インスリンの分泌を穏やかにするのです。
食物繊維は、さらにダイエットにとても良い働きをしています。食欲を調節するホルモンの分泌をうながし、満腹感の持続にも関わっています。朝食で、食物繊維を摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を抑えます。その後、腸内細菌が食物繊維を発酵させ水素ガスを発生させます。そして、水素ガスの影響で、次の食事、昼食での糖の吸収が緩やかになり、結果的に脂肪の合成がされにくくなるということです。
昼食でカツ丼を食べても太りにくい体を手にいれるため、朝食で食物繊維を取り入れることです。それには、大麦入りごはん、野菜、海藻、キノコを取り入れたサラダ、スープを食べましょう。
間食でお菓子類を食べて昼食まで空腹をしのいでいる方、カロリーの高いお菓子類が、血糖値を上げすぎて体脂肪をつくっているかもしれませんので、ご注意ください。
明日から、朝食に大麦入りごはん、野菜サラダ、野菜スープを取り入れて、やせ体質をつくっていきませんか。
(文=森由香子/管理栄養士)