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山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」

抜かずに選べ!炭水化物。 糖質制限ダイエットで、善玉菌が飢えている?

文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長
抜かずに選べ!炭水化物。 糖質制限ダイエットで、善玉菌が飢えている?の画像1「Gettyimages」より

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介/東洋経済新報社)がヒットしている。『ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット』(ギャル曽根/マガジンハウス)や『自宅でできるライザップ 食事編』(RIZAP/扶桑社)を抑えて、Amazon売れ筋ランキングの保健食・食事療法部門の本で3位以内を走り続けている(2018年7月現在)。Amazonのレビューが90件を超え、星5つ、4つの高評価がおよそ70%。そのレビュー内容には、偏った扇動的なダイエットや非科学的な健康情報への反動からか、「この本は信じられる」という声が大きい。

 さて、この本の内容にもかかわる話だが、私の見るところ、ここ数年の日本人の食の2大トレンドは、炭水化物を回避する「ロカボ」および「低糖質」と、腸内フローラの活性化(いわゆる腸活)のための食物繊維の積極摂取だ。最近、私がかかわった複数の調査でも、積極的に摂りたい栄養の第1位は「食物繊維」で、ここ数年不動のポジションだ。一方で、摂りたくない栄養の上位に「糖質」がある。

 マクロミル社が全国20~60代の男女1000名を対象に行った「糖質に関する意識調査」では、糖質量を意識した食生活の経験者は42%もいた。また、TPCマーケティングリサーチの「2018年 糖質ゼロ・オフ食品の市場分析調査」によると、2016年度の糖質ゼロ・オフ食品市場は、前年度比28.0%増の210億円。同市場は主食系を中心に好調に推移し、2019年度には400億円規模まで拡大する見込み、としている。糖質制限ダイエットが世を賑わせたことも記憶に新しいのではないだろうか。

 一方、食物繊維摂取の最右翼として、ここ数年、注目を集めるのが雑穀のなかの大麦類だ。大麦は、白米に比べて食物繊維が約20倍といわれ、糖質も低い。写真右はセブン-イレブンのもち麦入りおにぎり、左はファミリーマートのスーパー大麦入りおむすびだ(余談だが、セブン-イレブン、ローソンは「おにぎり」で、ファミリーマートは「おむすび」なのでご注意を)。

抜かずに選べ!炭水化物。 糖質制限ダイエットで、善玉菌が飢えている?の画像2コンビニおにぎり

 実はコンビニおにぎり・おむすび売場での大麦類の先駆けは、ナチュラルローソン(現在はローソンでも発売している)が2012年に発売した「もち麦入りおにぎり」だが、昨年からセブン-イレブン、ファミリーマートが、それぞれ「もち麦入り」「スーパー大麦入り」で参入し、大麦類全体で堅調に売り上げを伸ばしている。低糖質で高繊維な食生活がここ数年のトレンドで、日本人の“食の志向”となっていることがおわかりいただけただろうか。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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