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山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」

抜かずに選べ!炭水化物。 糖質制限ダイエットで、善玉菌が飢えている?

文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長

炭水化物」「糖質」「食物繊維」の関係

 ところが、この2大トレンドには気をつけたい落とし穴がある。「炭水化物」「糖質」「食物繊維」、この3つの栄養成分の関係をご存じだろうか。栄養学を少しでもかじった方には常識的な話なのだが、一般人には、なかなかの難問である。

 この3つの栄養に関する意識調査を20~40代の男女1200名に対して行ったところ、「炭水化物には糖質が含まれている」と答えた人が81.8%。対して、「炭水化物には食物繊維が含まれている」と認識している人はわずか16.9%だった。つまり、8割以上の人が炭水化物と食物繊維をまったく別物と認識していることになる。しかし実際は、「炭水化物」のなかに糖質も食物繊維も含まれており、【「炭水化物」=「糖質」+「食物繊維」】なのだ。さらに、普段の食生活においてどのような食材から食物繊維を摂取するか質問したところ、約8割が「野菜類から」と回答した。

 米でも、麦でも、とうもろこしでも、炭水化物を多く含む食品の姿・カタチを想像していただきたい。糖質(でんぷん含む)部分と、皮や茎などの繊維の部分で構成されていることは容易に理解できるはずだ。説明を加えると、米でも、麦でも、人間のエサ(エネルギー源)としてはあまり使えない繊維部分を削り捨てて、白米のように精製された“白い”状態になれば、ほぼ糖質(でんぷん含む)ということになる。

 逆に、玄米や大麦、全粒粉のように精製されていない“茶色い”状態であれば、繊維が豊富だ。この食物繊維は、人間のおなかの中に住む良い細菌の大好物なのである。

糖質制限志向の大きな落とし穴

 8割以上の、多数派の消費者のアタマの中にお話を戻そう。「炭水化物」と「糖質」は同義だが、「食物繊維」はまったく別のもの。そして、炭水化物(糖質)を含む食品の代表は白米やうどんやパスタなどの主食で、これを食べると太るから食べないようにする。一方、食物繊維は、野菜から積極的に摂取しよう。こんな感じだろうか。

 しかし、ここに糖質制限志向の大きな落とし穴がある。確かに糖質は血糖値を急激に上げるなど、摂り過ぎれば太りやすくなるが、それは、エネルギー源であるのだから当然だ。もし糖質を制限するなら、代わりにエネルギーをどう補うのかを考える必要がある。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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