また、食材が不足するなかで、「『できあいのパンは手に入らないが、ホットケーキミックスや小麦粉は購入しやすかった』などの被災地事情が『パンづくり』の検索頻度を押し上げたのでは」と村上氏は分析する。
「パンと組み合わせて検索されていたのは『フライパン』『牛乳なし』『ノンバター』といったキーワードでした。食材と道具、そしてライフラインが制限されていた状況がうかがえます」(同)
停電の場合は、避難所には行かずに自宅で食事をするケースも多い。小麦粉はあってもパンのつくり方がわからない……そんな人々がクックパッドで多く検索したのだろう。
独身男性でも実践できる「停電レシピ」の数々
クックパッドが運営している「クックパッドニュース」では、停電時に役立つレシピをまとめて紹介している。ひとり暮らしのビジネスパーソンが長時間の停電に見舞われたときも自炊ができるように、クックパッドに投稿されているレシピのなかから「停電レシピ」を紹介しよう。
まずは、土鍋でご飯を炊く方法だ。材料は米(2カップ)と水(400cc)、調理道具としてガスコンロと土鍋、しゃもじを用意しよう。といだ米と水を土鍋に入れて30分~1時間浸水させてから強火で炊き、沸騰してきたら弱火で蓋をして10分。蒸らす時間などに注意しよう。
※詳しいレシピは「電気節約★★簡単!土鍋で白ご飯~ byたいちんマミーさん」を参照
ご飯に飽きてきたら、ホットケーキミックスとコーンの缶詰を使った「コーンパン」がおすすめ。材料は、ホットケーキミックス(150g)、オリーブオイル(大さじ1弱)、塩、牛乳(40ml)、缶詰のコーンをすべてポリ袋に入れてもむ。生地を袋から出して、形を整えてフライパンにのせて火にかけるだけ。ポリ袋で材料を混ぜ合わせるので、洗い物も少なくて済むのがうれしい一品だ。
※詳しいレシピは「ホットケーキミックスで簡単コーンパン by✳澪*さん」を参照
災害時は食材の調達が難しくなるが、独身男性には調理器具の問題もある。普段はコンビニ弁当やカップ麺を主食にしていて、フライパンや鍋を持っていないという人も少なくないだろう。
「カセットコンロと土鍋や圧力鍋、お米と水があればご飯を炊くことができます。『フライパンでつくるパン』の検索が上昇したことを考えると、普段は使わなくても土鍋やフライパンくらいは用意しておいたほうがいいかもしれません。クックパッドでは、そのほかにも火を使わずに調理できる『缶詰』を使ったレシピも紹介しています。災害時だけでなく、普段は料理をしない男性でも簡単につくれるレシピが多々あるので、ぜひご覧ください」(同)
停電になり、暗闇の中で過ごしていると不安は募るばかり。そんなとき、温かい食事をとることは精神的安定にもつながる。いざというときに備えて停電レシピに挑戦するのも、立派な“防災”といえるだろう。
(文=真島加代/清談社)
●取材協力/レシピ投稿・検索サイト「クックパッド」
「災害時にも役立つレシピ集」(クックパッドニュース)