2021年3~8月期(中間期)の国内通販事業の売上高が前年同期比2.8%増の362億円と好調な家具・インテリア用品小売最大手、ニトリホールディングス。
昨今はオンラインの販促にも注力しており、11月9日にはコロナ禍の巣ごもり需要を受け、ECサイト「ニトリネット」の拡充としてスタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を開始。従業員によるオンライン接客という、時世に合った新サービスとなっているようだ。
業界をリードするニトリのアイデンティティといっても過言ではない有名なフレーズ「お、ねだん以上。」は、企業として大切にしている理念なのだろう。しかし、なかには「お値段以上とは言えないのでは……」といった懸念点などがある商品も存在している。そこで今回は、ニトリの少々要注意な商品を5つ紹介していこう。
マグネット付きミニキャニスター(3個セット)/508円(税込、以下同)
「マグネット付きミニキャニスター」は、磁石がくっつく金属素材であれば好きな場所にピタッと貼り付けられる小物用収納グッズ。デスク周りが散らかりがちという方も少なくないだろうが、このミニキャニスターがあれば、その中にクリップやピンなどをちょうどよく収納できるだろう。
そこで使い勝手を試すため、中にクリップを収納し、デスクの金属素材の壁面に設置してみた。しかし、およそ2日後、キャニスターが地面に落下し、中に入れておいたクリップが床に散乱してしまうという事態が発生。
クリップは比較的少なめしか入れていなかったにもかかわらず、重量に磁力が負けてしまったのだろうか。収納グッズを使用して散らかしてしまっては本末転倒なので、要注意な商品といえるだろう。
伸縮フローリングワイパー ラクッカ/ 599円
掃除機をかけるよりも手軽にフローリングの清掃ができるワイパー。この「伸縮フローリングワイパー ラクッカ」は、ヘッド部分が中央凸型構造とやわらか素材でつくられており、ゴミをシート全面で吸着してくれるのが特徴とのこと。他店の同類商品と比べれば安価なのは魅力だ。
しかし、実際にシート(別売り)を装着して使ってみると、ハンドルの締まりが悪く、最大まで伸ばしてあった持ち手が、使用中にみるみる短くなってしまったのである。歩くついでに本体を押していた程度で決して商品に強い力を加えたわけではなかったが、何度緩んだ部分を締め直しても同じ結果になった。
ヘッド部分の構造は優れているようで、ゴミをよく吸着してくれた印象がある。だが、ハンドルが使い物にならないのは、どうしてもネックだろう。機能性にこだわった設計になっているからこそ、もったいないと感じた。あらかじめハンドルを短めに固定して使用するのであれば使えるので、持ち手を伸ばして使わなければ購入してもいいかもしれない。
冷蔵庫棚下収納 クラリーS(ホワイト)/999円
ハムやチーズといった小さめの食材をまとめて入れておくと便利で、冷蔵庫の棚下スペースを有効活用できる「冷蔵庫棚下収納」。
だが、実際に商品を冷蔵庫内に設置しようと試みるも、クリップ部分が異常に硬く、棚下に挟む工程でかなり苦戦した。設置した後に安定感を出すために挟む力を強くしているのならばいいのだが、設置後に手が触れるとガタつきがあるので安定感抜群ともいいがたい。また、引き出しもあまりスムーズに動かないため、ややストレスが生まれてしまうのだ。
アイデアは素晴らしい商品なので、クリップの硬さや引き出しのたてつけの改良など、今後のリニューアルに期待したい商品といえるだろう。
マイクロファイバーキッチンクロス メッシュ(5枚セット)/ 304円
食器洗いの後の拭き取り作業などに重宝しそうな「マイクロファイバーキッチンクロス」は、裏表がそれぞれマイクロファイバー面とメッシュ面でつくられているという代物。
さっそく使用してみると、初めは軽く触れるだけでも水滴を吸い取るほど吸水性が高かった。だが、問題は2回目以降の使用だ。一度洗濯した後に使用してみると、吸水効果が減少しているように感じられ、初回より拭き上げの時間かかるようになった。
使い捨てではなく、洗って何度も使用することを前提にしている商品であることを考えると、残念な印象は拭えない。5枚セットで約300円とリーズナブルなので、吸水性を重視せずに割り切れるのであれば、買ってもいいだろう。
結露吸水テープ(スターGYo4X90 4P)/399円
本格的な冬が近づいているこの時期は暖房をつける機会も増えるが、外部との寒暖差で窓やアルミサッシに発生してしまう結露水はカビの原因にもなるため、予防策を講じておきたいところだ。
今回紹介する「結露吸水テープ」は、水分を吸収し乾燥させてくれるという商品なので、実際に窓の下部に接着し、数日様子を見てみることにした。だが、2日後に確認すると、端のほうからテープが剝がれてきていた。貼り直してみるも、剥がれた部分にはホコリが付着しており使い物にならず。商品説明には簡単にカットできるという記載もあったので、そこだけ切り取って再度使用してみたものの、特に大きな変化は見られなかった。
結露を吸水することが目的のテープは、湿気が高い日にこそ活躍してほしいところだが、吸着力が弱いので高湿度の条件では剝がれやすくなるという、本末転倒なことが起こっていたようだ。
ニトリには生活に役立つ便利なグッズが多数あり、独自性に富んだアイテムが多いのも素晴らしいかぎりだ。だが、なかには今回紹介したように、ちょっと残念……と思ってしまうような商品も少なからず存在する。今回の記事を参考に、ニトリで満足のいくショッピングを楽しんでいただきたい。
(文・取材=A4studio)
※情報は2021年11月12日現在のものです。