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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

賞味期限が異常に長い“超加工食品”は要注意?レトルト、冷凍…

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 解釈を間違えてはいけないのは、がんが縮小することがそのままがんが治ったことにはつながらない、ということです。縮小することと治癒することは、まったく別問題です。治癒というのは、がんでいえば完全に腫瘍が消失することです。果たして、今現在使われている抗がん剤で、完全治癒にまで導けるものがどれほどあるのか、筆者は甚だ疑問に思っています。

 メディアは、日本人の多くががんになる時代であることを喧伝し、こぞって保険に加入するように勧め、そうすればがんになっても大丈夫という印象を持つように誘導しますが、それはいかがなものでしょう。保険に加入していることと、がんが治ることは同一線上で語ることなどできるはずもありません。やはり、私たちは、がんにならないような日常生活、特に食生活を送らなければならないと筆者は考えます。

 がんになる要因として挙げられるのは、間違った食生活を筆頭に、食べものに含まれる農薬や化学肥料などの化学物質を摂取してしまうこと、環境中にある有害金属類や発がん物質を取り込んでしまうこと、意識的・無意識的に自己免疫力を落とすような生活習慣を続けることなど、挙げればきりがありません。しかし、最大限の注意を払ってそれらをすべてクリアしたとしても、私たちががんになる確率が0%になることはありません。私たちの体の中では、ごくわずかではありますが、正常であった細胞ががん化するということが日常的に起こっているからです。

オーガニック」が問題解決のキーワード

 しかし、私たちはがんだけではありませんが、可能な限り病気にはなりたくないわけです。だから、上記のようなことはできるだけ避けるべきだと思いますし、そのための自分なりの基準を持つべきだと筆者は考えます。その時に参考にしていただきたいのが、筆者がこのたび上梓した『本当は怖い! こんな「長持ち食品」 レトルト、冷凍、総菜、加工食品、輸入品、調味料……ここだけはチェック!』(三笠書房)です。

 本書は、いたずらに恐怖心を煽ることなどが目的ではなく、読者が、ご自身のために、そして大切な家族のために、どんな食品を選択するのか、ひいてはどのような食生活を理想とし、それを実現させていくのか、というところに主眼を置いて書いたものです。

 おそらく、読者の皆様の心の中に響く、そして残るフレーズがたくさんあると思います。どうか書店で手に取って、数行、数ページ読んでみてください。

 令和という新しい時代を迎え、筆者と同じように、気持ちも新たにがんばろうという思いを抱いている方も多くいることでしょう。それは、とても素晴らしいことだと思います。同時に、この新しい時代は課題も山積しています。私たちの目の前には解決しなければならない重要な問題があまりにも多く存在しています。そのすべてを一挙に解決できる方法などあるはずもありませんが、解決できないでいると、それは次の世代に持ち越すこととなり、ツケを回すことになります。

 そのたくさんある問題・課題のなかでも、私たちが食べるものにかかわる問題は優先順位がもっとも高く、それを解決に導くキーワードが「オーガニック」だと、筆者は考えているのです。

 オーガニックの対極にあるのが「超加工食品」と呼ばれるような、いわゆるジャンクフードです。新しい時代が、そのような劣悪な食品を必要としない時代となることを願ってやみません。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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