ヌードに変身…女性のフォト撮影ブームの舞台裏〜アラフォー中心に広い世代で人気のワケ
「スタジオアリス歌舞伎写真館GINZA KABUKIZA」では、歌舞伎の扮装と化粧で、“鷺娘”や“櫓のお七”といった登場人物になりきった自分を撮ってもらえる。
例えば、四切2面の和台紙やフォトホルダーなどがついた「歌舞伎セット」は35,000円~。決して安くはないが、スタジオは歌舞伎座を訪れる熟女たちで大盛況。国内だけでなく海外からの観光客にも対応できるよう、撮影から約1分で記念写真を提供するという。
同じくスタジオアリスは、12年12月に東京・六本木に大人向けの写真館「グラッツ(GRATZ)」をオープンした。こちらも、先の「ミニーナ」同様、映画セットのようなスタジオで、メイクや衣装などのコスプレで、変身した姿を撮ってもらえる。約300坪にも及ぶグラッツのコンセプトは、「フォトコンプレックススタジオ」。このコンプレックスとは、「複合施設」を意味し、バラエティ豊かな5室で撮影ができる。
狙うのは主に、結婚を控えた「ブライダルカップル」の需要。
私が取材した中には、「結婚しようと思っていたカレとグラッツに行ったけど、結局は破談に。今は、“いろんな衣装を着て撮影してもらえること”のほうにハマってます」と話す20代女性もいた。
いくつになっても、女は女優。
妊娠やダイエット、結婚、あるいは歌舞伎鑑賞を“口実”に、今後も自分のヌードやコスプレ姿を写真に撮ってほしい、と希望する女性は、幅広い年代で増えていくに違いない。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役)