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何かとバカにされる「味の素」を入れるだけで、おふくろの味が実現?検証レビュー

文=TND幽介/A4studio
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「味の素」使用レシピ
「味の素」使用レシピ

 6月にあるTwitterユーザーが呟いた以下の投稿が話題を呼んでいる。

<グルメマンガの影響だと思うが、自炊を始めて以来長いこと味の素は使わなかった。でもある時、味の素を使ったら驚くべし、そこに「おふくろの味」が出現したw>(原文ママ)

 うま味調味料「味の素」といえば、食品メーカー・味の素の看板商品であり、うま味調味料界でも抜群の知名度を誇る存在。一方で、かつて食品解説系のとある漫画が「味の素は食べ物じゃなく化学方程式で表せる薬」「食べものじゃない」などと表現したことで、根拠のないネガティブなイメージを持ち続ける人も一定数生まれてしまった調味料でもある。

 どうやら投稿者も「味の素」を避けてきたようだったが、自炊生活を機に使用してみたところ、料理が“おふくろの味”に感じられるほど奥深い味わいに仕上がり、衝撃を受けたということだろう。

 話題となったツイートには、「味の素」を使用することで「料理がグンと美味くなった」という趣旨のコメントも多く寄せられており、その効果を改めて実感している人が続出。

 そこで今回は、同じ料理を「味の素あり」で作った場合と「味の素なし」で作った場合で、味の仕上がりにどれほど差が出るのかを比較検証。味の素の公式レシピサイトである「AJINOMOTO PARK」で紹介されている料理から3品選び、実際に調理して比較実食レビューをしていきたい。

 ちなみに今回は、すべて「味の素あり」のレシピを記述しているが、実際に同じ工程で「味の素なし」バージョンも作っていることを、あらかじめご承知おきいただきたい。

「にんにく香るほうれん草のナムル」味の素で食べ応えが左右される一品

 まずは、作り置きもできそうな「にんにく香るほうれん草のナムル(2人分)」というレシピから作っていこう。

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 用意する材料は、「味の素70g瓶(2振り)」「ほうれん草(1束、180g)」「にんにくのすりおろし(小さじ1/2)」「ごま油(大さじ1/2)」「しょうゆ(小さじ1)」「いり白ごま(小さじ1/2)」。

 使う具材はほうれん草のみで、あとは味付けというシンプルなレシピなので、素材の味がうま味調味料の有無によってどう変化していくのか非常に気になるところだ。さっそく作ってみよう。

 作り方もかなりシンプル。まずは、ほうれん草(1束、180g)を5cmの長さにカットする。次に耐熱容器にカットしたほうれん草を入れ、そこに味の素70g瓶を2振りして全体になじませたら、ラップをかけて600Wの電子レンジで2分加熱。粗熱が取れたら軽く水気を絞り、にんにくのすりおろし(小さじ1/2)、ごま油(大さじ1/2)、しょうゆ(小さじ1)を入れて混ぜ合わせる。最後に、いり白ごま(小さじ1/2)を振りかければ完成だ。

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 食べてみて最初に感じるのは、ごま油とにんにくのパンチのある香り。その後、噛み締めていくと、ジュワッとほうれん草の滋味とコク、しょうゆの塩気と香ばしさが漂ってくる。そして全体に染み渡り、もうひと箸と食べたくなる気持ちを揺り動かすのが、肝心のうま味調味料だ。

 うま味調味料なしのバージョンは、途中までは同じ感想だが、最後にふわっと残る旨味がない分、どこかさっぱりとしている印象。これでも十分美味しいが、「白米に乗せたら美味しいだろうな」といった、食べていて頭に浮かぶ情動がどこか弱く感じられた。

「長いものしょうゆ漬け」漬け込むだけでできる簡単レシピの決め手はコク?

 次は、副菜にも最適な「長いものしょうゆ漬け(2人分)」というレシピだ。ねっとりとした舌触りと、シャリシャリとした食感が不思議と爽やかな印象を与える長いもだが、この特徴的な素材にうま味調味料がどう絡んでくるのか。

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 用意する材料は、「味の素70g瓶(少々)」「長いも(8cm、80g)」「しょうゆ(大さじ1/2)」「酒(小さじ1/2)」「赤唐辛子(小口切り、少々)」。余計な食材は入れない硬派な一品というところか。

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 作り方は、まず皮をむいた「長いも(8cm、80g)」を、分量外の酢水に1分ほどさっと漬け、その後縦に4つ割りにしておく。カットしたら、ビニール袋やジッパー袋に入れて、そこに味の素70g瓶(少々)、しょうゆ(大さじ1/2)、酒(小さじ1/2)、赤唐辛子(小口切り、少々)をすべて投入してよく混ぜ合わせ、封をして一晩冷蔵庫で寝かせておく。

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 翌日、漬けておいた長いもを5mmほどの幅にカットしてお皿に盛れば完成。しょうゆで程よく色づいた長いもが、どことなく風流な印象も醸し出すおしゃれな一皿だ。

 食べてみると、長いものフレッシュな食感で、口の中が華やかになった。味付けは、ほのかなしょうゆの香りに加え、赤唐辛子がピリッといい刺激を与えている。そして、うま味調味料だが、先のメニューに続き、後味にじんわりとコクと旨みを与える役割に徹しており、前に出過ぎる印象はなかった。

 なしバージョンはというと、材料が少ないので素朴な味わい……というより、調理途中で食べているような印象さえ受けた。旨み成分をプラスすることで、これほどまでに料理としての完成度が上がるのかと驚かされる。

「レンジサラダチキン」うま味調味料推進派の人気料理研究家が教える絶品レシピ

 最後に紹介するのは、うま味調味料への偏見を払拭しようとしている印象のある、料理研究家のリュウジ氏が、味の素とコラボして考案した「レンジサラダチキン」というレシピだ。

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 用意する材料は、「味の素70g瓶(3振り)」「鶏むね肉(1枚、約220g)」「塩(小さじ1/2)」「砂糖(小さじ1/3)」「酒(大さじ1)」。

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 作り方は、「鶏むね肉(1枚、約220g)」の両面にフォークで何カ所か穴を開けておく。次に、お肉の表面に「味の素70g瓶(3振り)、塩(小さじ1/2)、砂糖(小さじ1/3)をまぶし、もみ込んでおく。耐熱容器に移し、そこに酒(大さじ1)を加え、ラップをして電子レンジ600Wで3分加熱し、その後そのまま5分休ませる。最後に、お好みの厚さに切って皿に盛り付け、肉汁をかければ完成だ。

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 レンジで数分加熱しただけとは思えないふっくら、かつしっとりとした鶏肉の火の通り方は、さすが大人気料理研究家・リュウジ氏考案のレシピ。実食してみたところ、鶏肉の旨みがジュワッと染み出し、その肉汁の旨みを最大限に引き出す調味料のバランスに唸らされた。

 味の素は鶏むね肉の持つ旨みと同化しているようで、鶏肉の旨みがブーストされているかのような印象を受けた。なしバージョンを食べると、ブワッと広がるようなお肉の美味しさが、やはり少し弱まっている感があった。

 味の素は正しいバランスで使うと、素材の旨みをグッと引き出してくれることがわかった。「また食べたいな……」、そう思わせる“おふくろの味”の正体が、料理の美味しさを一押ししてくれるうま味調味料にあるというのは、決して言い過ぎではないかもしれない。

(文=TND幽介/A4studio)

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A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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