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キャンプ用品を売る人が急増、ブーム終焉か…中古市場で見つけたら買うべき商品は?

文=渡部郁子/アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ
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 リサイクルショップにキャンプ用品を売りに来る人が増えているという投稿がツイッター上で広まり、「いよいよキャンプブームの終焉か?」とキャンプ愛好家の間で話題になっています。

 それを受けて今回、「専門家から見て、中古品市場でお買い得な商品や、逆に中古では買わないほうがいい商品(高くても新品で買うべき商品)」を紹介したいと思いますが、キャンプ用品の中古品市場について語る前に、キャンプブームの終焉について考察していきます。

 ソロキャンからのキャンプブームにより、キャンプ愛好家の間では数年前から「はやく落ち着いてほしい」との声が多くささやかれてきました。なぜなら、人気のキャンプ用品は入荷待ちで入手できないし、とにかくキャンプ場の予約が取れないからです。今までは少なかった冬キャンプも、そこそこ利用者が増えてきています。

 そんななかで、「今度こそ本当のキャンプブームの終焉か」との話題のきっかけになったのが、リサイクルショップの店員さんから聞いたという、「巣篭り需要が終わってキャンプ用品を売りに来る人が多すぎ」というツイッターの投稿。これについて、私なりの考察を綴ります。

 キャンプブームの終焉か――。結論から言うと、キャンプブームはまだ続く、少なくとも今シーズンも人気は高いと考えています。ただし、「三密を避けるためにキャンプ」という“コロナ特需”はこの春で終了するため、「どこかに行きたいけれど行けないからキャンプでもしてみようか」という消費者層が減ることを考えると、多少は落ち着いたように感じられるかもしれません。

 つまり、キャンプブームは終焉していない。では、なぜキャンプ用品を売りに来る人が増えているのか。この点について考えてみます。

 まず、この時期は、生活が変わったり、新しい環境への対応のため、家の中の片付けをする人が増える時期でもあります。昨年はキャンプブームでたくさんの人がキャンプ用品を購入したからこそ、この片付けシーズンにリサイクルショップにキャンプ用品を売る人が増えた、と考えられます。

 もしキャンプブームが終焉していたら、たぶんキャンプ用品は秋に売られるはずです。春のこの時期にキャンプ用品がリサイクル市場に増えているのは、それは単純に新生活に向けた片付けシーズンだからであり、むしろ新しいシーズンを迎えて新しい用品を買い替えようとしている人も含むと考えると、今年もキャンプブームは続くと確信しています。

 もう一つは、手軽で低価格なキャンプ用品が増えたから、です。ここ数年のキャンプブームでは、キャンプ用品の低価格化と、さまざまな企業によるキャンプ用品市場への参入が相次ぎました。

 特に、100円ショップ「DAISO」や「Seria」のキャンプ用品コーナーの充実ぶりから、「キャンプ用品をそろえるのは高い」というイメージが大きく覆されました。さらに、アウトドアウェアで大ブレイクした「ワークマン」がキャンプ用品に参入したことにより、今まで10万円以上かかっていた必要最低限のキャンプセットが2万円程度で購入できるようになったことも、ブーム拡大に大きく貢献したと考えています。

 さて、ここまでのキャンプブームについての背景を頭に入れたうえで、冒頭の「中古品市場でお買い得な商品や、逆に中古では買わないほうがいい商品(高くても新品で買うべき商品)」という問いに答えていきたいと思います。

 先に「高くても中古では買わないほうがいい商品」をお伝えしておくと、私の場合「命にかかわるものは新品で」買うように心がけています。

 例えば「機械系・精密系」製品です。オートキャンプにあると便利な発電機。最近はさまざまなメーカーの発電機があり、日々新製品が開発されています。比較的高額なので、できれば中古で良いものを仕入れたいところですが、中古の場合、何かあったときの保証がないことを考えると、あまりお勧めできません。故障や爆発の恐れもあるので、中古での購入には注意が必要です。

 また、太陽光発電パネルなどの精密機器系も、中古はお勧めしません。まだまだ性能が飛躍的に改善されている分野なので、少し古いだけでパフォーマンスが大きく下がることもあり得ます。必要な場合は、最新のものをチェックするようにしてください。

 ほかには、山岳での極寒キャンプや雪上キャンプなどで使用するテントやシュラフ(寝袋)が挙げられます。テントに小さな穴が開いていたり、シュラフの中綿がクタクタになっていたりしたら、それだけで命の危険が生じるからです。過酷な環境で使う製品は、ちょっとしたキズやほころびが命取りになります。

 逆に言えば、過酷な環境でないキャンプを想定する場合は、中古でも問題ないと考えます。テントやシュラフは、防災グッズとしても各家庭に備えてほしいものと考えています。中古でお得なものを見つけたら、迷わず購入して家庭に備え、キャンプで実際に使う機会を楽しみにしてほしいと思います。

 特に、スノーピークのテントやWeberのグリルなど高額商品は、見つけたら即購入して間違いないです。ただし、初心者の場合、メーカー名や商品を見ただけで定価を想像することは難しいと思いますので、できれば、中古で購入する前に、まず先に新品のキャンプ用品の値段を確認しておくことをお勧めします。

 見た目が似ていても、値段が大きく違う商品もたくさんあります。使ってみると、その性能の違いに気づくのですが、見た目だけではなかなかわかりにくいのです。だからこそ、どんな商品があって、定価はどれぐらいなのかを事前に確認しておくことで、中古市場で商品を見つけた時に、その値段の価値がわかるようになります。

 キャンプブームにより、低価格なキャンプ用品がたくさん出回るようになりました。キャンプ用品は今、想像以上に安いです。末永く使えるお気に入りのものを見つけるためにも、定価を知って“価値ある中古品”を手に入れるよう、下準備をしっかり行ってみてください。

(文=渡部郁子/アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ)

渡部郁子/アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ

渡部郁子/アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ

山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。


ソトキッズ

Instagram:@outdoornavigator

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